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大学の職業訓練校化に反対します

大学の職業訓練校化

一部のエリート大学以外は職業訓練校化すべきだ、という資料が文科省の有識者会議に提出され、物議をかもしています。池田信夫などは、旧帝大と慶応以外は職業訓練校にすべきだと断じています… この意見の是非について論考してみたいと思います。

※文科省に提出された資料を出したのは経営コンサルタント・冨山和彦氏。旧帝大と慶応以外云々って下りは池田信夫の見解で、資料には書かれていません。



GとL

冨山氏は、経済圏を「Gの世界(グローバル)」と「Lの世界(ローカル)」の2つに切り分けています。で、Lの世界は常に人材不足の状態にあって、実学的な知識・スキルが必要とされているので、一部のTop Tier校以外は職業訓練化していくべき、と主張。

 

このGとLという切り分け方は、別に冨山氏独自の理論ではありません。マイルドヤンキー論などが浮上する中、グローバルとローカルという区別はにわかに注目が集まっていると言ってもいいでしょう。わたしも、この区別自体は否定はしません。

 

実学のレベルが低い

しかし、Lの世界に必要な人材を供給するために、底辺大学を職業訓練校化するって考えには同意しかねます。

 

第一に、想定されている実学のレベルが低いという点。

経済学部なら、ポーターではなく、簿記会計・弥生会計ソフトの使い方…法学部なら、憲法・刑法ではなく、大型第二種免許や宅建・ビジネス実務法務など… これって専門学校レベルでも1年かけないような内容ですよねw実用的な資格・スキルを取得させるって方向性自体は分からないではないけど、具体例として挙がってくるのがそれじゃ…

 

他の分野のことは分かりませんが、少なくとも法学については基本六法(憲法・民法・刑法・民訴法・刑訴法・商法)や行政法についての知識がなければ、「法律を学んだことがある」って言えないんですよねぇ。応用も効かないし、道交法だけ勉強したところで他の法律が読めるようになるかっていうと…w 経済学部・商学部についても同じようなことが言える気がします。

 

教養はどこでも必要

第二に、ローカルの仕事にも「幅広い教養」が求められるようになってきている点。

ローカルでは、生産性の向上が課題となっている。これはうなづけます。ただ、その解決方法として、職業訓練的なスキルが必要なのかっていうと「?」。経営コンサルタントが持っているような「教養」こそ、今地方に求められているんじゃないかなぁ、と思えてならない(経済学部で中小企業診断士の科目を教えるってんなら、レベル的にも十分だし同意。その場合にも経済学とか学ぶ必要あるけどねw)。

 

学問の自由、そしてお金

第三に、大学の自治・学問の自由と、カネの問題。

一部のトップ校以外は職業訓練校にってのは、大学の自治・学問の自由を大きく阻害する意見なんじゃなかろうか。非アカデミックな学問を学ぶのに税金をつぎ込むってのはどうなのよっていう問題も(私立にも税金はつぎ込まれている)。

 

もちろん、大学全入時代になって、Fラン校がオーバースペックな教育をしているって点は認めますが、「教養」主義を否定し、プラグマティズムに突き進むのも行きすぎなのかなぁと思えます。

 

旧帝大以外の地方国立大学なら、「その地方のトップ」として教養を身に着けてイノベーティブな仕事をすべきでしょうし…Lの世界にもリーダーは必要なんだってのを失念してはならないでしょう。

 

高等教育の在り方に対して一石を投じたって点では、冨山氏の資料は非常に興味深かったけど、なんか物足りなかったな…。

 

1352719 4 大学の職業訓練校化に反対します 資料4 冨山和彦委員提出資料 – 1352719_4.pdf1352719 4 大学の職業訓練校化に反対します

 

記事引用

文部科学省で10月7日に開催された有識者会議に提出された資料がネットに公開され、議論を呼んでいる。資料では、ごく一部の「トップ大学」以外はすべて「職業訓練校化」すべきという提案がなされていたのだ。

資料の執筆者は、株式会社経営共創基盤代表の冨山和彦氏。大学教員や教育学者が多くを占めるメンバーの中で、産業界の実態に詳しい経営コンサルタントという異色の立場で参画し、単独名で資料を提出している。

「Gの世界」と「Lの世界」で人材育成を切り分ける

冨山氏の資料「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る
高等教育機関の今後の方向性」より

冨山氏が資料を提出したのは、文部科学省の「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」。冨山氏の資料は「グローバルで通用する極めて高度のプロフェッショナル人材」を輩出できるトップ大学以外は、大半を「職業訓練校化」し、学問より「実践力」を学ばせるべきだとする。

・文学・英文学部:「シェイクスピア、文学概論」ではなく「観光業で必要となる英語、地元の歴史・文化の名所説明力」
・経済・経営学部:「マイケル・ポーター、戦略論」ではなく「簿記・会計、弥生会計ソフトの使い方」
・法学部:「憲法、刑法」ではなく「道路交通法、大型第二種免許・大型特殊第二種免許の取得」
・工学部:「機械力学、流体力学」ではなく「TOYOTAで使われている最新鋭の工作機械の使い方」

資料は、経済特性や産業構造が異なる2つの経済圏が存在することを前提にしている。「グローバル経済圏(Gの世界)」は、グローバル競争にさらされる産業であり、自動車や医療機器、IT産業などが該当。知識集約型で、高度な技能の人材が中心となる。

もうひとつの「ローカル経済圏(Lの世界)」は、交通や飲食、福祉など国内のサービス業が該当。労働集約型で、平均的な技能の人材が中心となる。

Gの世界では「高度なプロフェッショナル人材」が必要とされるが、人材は少数精鋭化され、雇用は漸減傾向にある。反面、Lの世界では日本の少子化もあいまって、労働力不足が深刻化。先進国でも最低レベルの「Lの世界の生産性」を上げることが課題になっているという。

池田氏「文系の科目は、余暇の教養として社会教育にすべき」

冨山氏の資料「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る
高等教育機関の今後の方向性」より

そこで、Gの世界に通用する人材を輩出できる大学は、そのような領域に特化した教育を行い、それ以外は「生産性向上に資するスキル保持者の輩出」に力を注ぐ「職業訓練校(L型大学)」と化すべきだという。そこで重視されるのは、学問より「実践力」を磨くべきとして、前出の例を挙げているのだ。

「あらゆる高等教育機関(東大とて学部と学生レベルによっては例外ではない)が、『職業訓練』に異次元レベルで注力することで、社会全体の生産性・効率性(≒賃金と安定雇用)を改善する」

こうした提案に、ネットでは賛否が渦巻いている。否定的な意見の多くは「実践力」の例として挙げられた例の極端さだ。経済・経営学部で「弥生会計ソフト」を習得し、法学部で「大型車両の免許」を取得というのは、これまでの大学教育のイメージとは大きく異なる。

確かに大学の法学部を卒業しても、法律的素養や基本的知識を身につけていない人がかなりを占めるのも事実だ。これでは「時間の無駄」という評価があがっても無理はない。

ネットには、冨山氏の主張に賛成する意見も多い。経済学者の池田信夫氏はブログで、国内の雇用は9割が「流通・外食・介護などのL型産業」になると予測。そもそも現状でも「旧帝大と慶応ぐらいしか、アカデミックな教育はしていない」と、特に文系大学の変革については強く賛成する立場だ。

「文系の科目は、余暇の教養として社会教育にすべきだ。大部分のL型労働者にとっては、哲学や社会学を習うより、英語や簿記を使えるようになることが重要だ」

小田嶋氏「大学は人が幸福に生きていく道を模索する場所」

ビジネスコンサルタントの大石哲之氏も、冨山氏の提案に「全面的に賛成」し、さらにG型・L型を理系・文系に分けた分類を独自に行っている。

・理系G型:アカデミックな研究主体。東大など。
・理系L型:理論ではなく実用的な工学をおこなう。日本は工学の国であり、多くの理系人材を今後も育成する必要がある。地方大学がこれを担えば良い。
・文系G型:ジェネラルアーツを教えて、徹底的に考える力やイノベーションを起こす力を教える。ハーバード方式である。これは慶応などの私大が担えばいいだろう。
・文系L型:職業訓練学校にする。英語がつかえ、実用的な実務ができるひとを育成

このほかにも、ネットユーザーからは「地方の弱小大学が古臭いアカデミアにしがみついてていいの?」「4年間遊んでるだけだから、少しは役に立つこともやれってことだ」と、少子化なのに増えすぎた大学や、そのカリキュラムに対する批判も大きい。

そんな中、コラムニストの小田嶋隆氏はツイッターで「大学教育」と「企業活動」は分けて考えるべきであり、それを一緒にする議論を文科省が展開していることに警鐘を鳴らしている。

「『上位大学はグローバル大学、底辺大学はローカル大学』みたいな計画は、金儲けをたくらむ人間の発想としては正しいのかもしれないけど、学問だとか教育だとかを扱う役所が採用して良い話じゃないぞ」

「私は、大学が労働力の商品性を高めるための機関であるという考え方には賛成できません。きれいごとを言えばですが、大学は、広い意味で人が幸福に生きていく道を模索するための場所だと思います」

ネットユーザーからも、「L型の切り離し」を主張する人たちが東大など有名大学を卒業していることを指摘し、議論が偏りすぎていると呆れる声もあがっている。文科省はすでに同有識者会議の第2回を15日に開いており、今後もヒアリングを重ねる予定となっている。

 

via: 旧帝大と慶応以外は「職業訓練校化」すべき? 文科省の「有識者資料」に議論白熱 | ニコニコニュース

 

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コメント

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  • コメント (3)
    • htdh
    • 2014年 11月 08日

    >教養はどこでも必要
    これはいい発言

    ってか現状の大学制度が抱えてる問題をほっぽり出した安易な解決策、という印象すら受けるなぁ

    • キジトラさん
    • 2014年 11月 10日

    今回のテキストって面白いですねえ。

    >実学のレベルが低い

    これは仕方ないと思いますよ。そもそも大学にいけなかった人達ですから。レベルが低いのは今も同じです。だったら職業訓練的なことプラス即実戦で就職に有利な形にもっていくのは合理的というか。
    ま、そもそもだったら大学じゃなくていいだろ?という話なんですけど、そこは今の大学の教職員を養う必要性からこういった結論に繋がっているのかあ、と。
    本当は大学数をせめて80年レベルにまで減らせばいいんです。でもそれが難しいから苦肉の策ですよね。

    >教養はどこでも必要

    だったら一生懸命に勉強してG大学に入りなさい、って話です。G大学に入れないレベルの学生ですから強要うんぬんを心配する必要なんて全くありません。強要はG大学に入った学生が身に着けてくれます。L大学の学生に強要なんて必要ないんです。それは高校までの強要で十分。いや中学までの強要で十分なのかもしれません。

    >学問の自由、そしてお金

    学問の自由は保障されています。高校までにまずがんばれ。と。それでがんばらない人間に学問の自由なんて必要ないです。
    それとお金なんてもんは制度の話だからどうにでもできるでしょう。税金の投入を問題視していますが今と何が変わるのでしょうか?。大学は学生側と教職員側の利害の問題でもあります。どっかで線を引くしかないんじゃないでしょうか?

    税金の話で言えば、一番の適正は大学数を減らすことです。でも現実的には難しい。であればどーするか?。その視点からの話です。私はそう理解しましたけどね。

    • おでかけ
    • 2015年 12月 12日

    みんなイロイロ書いてるけど
    これからはもっと不景気になって学校払うカネが無くなる奴増えるんだからさ
    放っておいてもドンドン潰れていくよ。
    学歴が強制されてるのは中学までで、あとは平凡でもいいから
    マメに暮らせるだけ稼げればいいと心に決めて職探しするしかないさ。
    昔の中卒は「金のたまご」って重宝されたもんだ。
    そういう時代がまたやってくるさ。

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