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男女平等問題、前提がいつまでたっても共有されない。トルコ大統領の発言を受けて。ロールズの考える正義の構想は?

繰り返される男女平等論、堂々巡りになってしまっていることが多いように思います。自分の考えの軸をどう持つのか、そのためにはいくつかの観点からこの問題について触れることが必要でしょう。トルコ大統領が男女平等について意見を述べた、というニュースがありました。



 

 【エルサレム時事】トルコのエルドアン大統領は24日、イスタンブールで開かれた女性の権利に関する集会で、「女性と男性を平等にはできない。自然の法則に反しているからだ」などと演説し、生物学的な違いから同じ条件下で働くのはふさわしくないと主張した。トルコのメディアが伝えた。
 大統領は「妊婦に男性と同じ条件を課すことはできない」と例示した上で、「女性に必要なのは、平等であるより対等であることだ」との持論を展開した。大統領の発言に対し、ツイッター上では批判の声が上がっている。

via: Yahoo!ニュース – 男女は「平等にできず」=大統領発言で波紋―トルコ (時事通信)

 

男女平等とは何か

そもそも、軽い気持ちで使われることが多い「男女平等」という言葉。その定義は一体なんなのでしょうか。そもそも男女「平等」ということから、平等概念についても同時に考えなくてはいけないことから、これはなかなか難しい問題でしょう。

 

平等という言葉は、「何についての平等か」についての定義である。というのが経済学者アマルティア・センの考え方です。すなわち、どのような考え方にも基本的に「平等概念」は含まれているというのですね。

 

例えばボクシングの重量別のシステムは、「体重という属性のよる区別を行うことで、平等にテクニックや能力で競争できる」という意味では平等思考があります。功利主義においては「誰にとっても平等に、快の感情が1単位として認められる」点から平等主義と言えるでしょう。

 

こうなってくると、果たして「何の平等を大事にするか」というのが問題の中心であることが見えてきます。男女間における「何の平等」が求められているのでしょうか。

 

男女間における「平等」とは

さて、理論から攻めるのもよいですが実際の問題を見ることで、その求められているものを逆に導き出すことも可能です。すなわち、「男女平等」というワードで示される問題群の共通点を探るということですね。

 

例えば「国会議員における女性の割合」「管理職における女性の割合」といった部分で男女平等の指数が導き出されることが多い様子です。他にも「力仕事は男にしかできないし、出産は女にしかできない」や「レディースデーも差別みたいなもんだ」という考えに基づいた男女平等という言葉に対する疑問もよく聞くところです。

 

とはいえ、このような指数を数字ばかりで見てしまうことの弊害もよく指摘されるところです。とりあえず数だけ増やせばいいのか、というと誰もが「それはちょっと違うような気がする」と思うことでしょう。本質はそこではないのです。これについては前に記事を書きましたので載せておきます。

 

 男女平等問題、前提がいつまでたっても共有されない。トルコ大統領の発言を受けて。ロールズの考える正義の構想は? 女性は「構造的に」差別されている? 男女雇用機会均等の限界とアベノミクスの数字目標の怖さ | キジトラ速報

 

この記事ではなぜビジネスにおいて女性の管理職が少ないか、についても理由を述べています。すなわち、「そもそもそんなの興味ない女性の存在」と「出産の取り扱いの難しさ」に集約されてきます。

 

女性の多様性

この存在を忘れてはいけません。全ての女性が一律に、自分はバリバリビジネスの世界で働いて家庭も持ってやっていく、と思っているわけではありません。子どもや配偶者を持つことに関心がない人もいますし、同性愛者の方もいますし、家庭の中でバリバリやっていく人もいるでしょうし、家庭より仕事を取る人もいるでしょう。

 

しかし、これはきっと男性も同じではないでしょうか。みんながみんな、モーレツに働いてお金を持って家に帰ることを人生の目的としているわけではないでしょう。仕事より家庭のことのほうが得意な人もいるでしょうし、逆に独身貴族を楽しみつつビジネスに邁進する人もいるでしょう。

 

しかし、実際は多くの男性が社会的に「男は稼いでこなくちゃいかん」という倫理規範に晒されています。それに対して「ばっちこい!」という人もいれば、「なんで男だけの役割なんだよ」と男女差別を感じる人もいるでしょう。

 

もしも今の女性が抑圧されているのが事実とするならば、僕は同時に男性にも違う形の抑圧があるように見えます。それはお互いにとって辛いことでしょう。目に見えない圧力がない時、自分が本当なら何を選択するのか、ということがわからないからです。(フロムのいうような、「自由からの逃走的」考えがあることもわかりますが)

 

この多様性と、レディースデーの関連についても前に記事を書いていたので再掲しておきます。結局レディースデーが差別にあたるかどうかは、私たち(社会)が決める事である、ということが結論です。

 

 男女平等問題、前提がいつまでたっても共有されない。トルコ大統領の発言を受けて。ロールズの考える正義の構想は? レディースデーって性差別? | キジトラ速報

 

選ぶこと、ができること

さて、改めて元の話題に戻ってみましょう。「何についての平等か」という観点ですね。仕事のことや政治のこと、あるいはレディースデーや出産について考えてきたわけですが…(再掲した記事はぜひ読んでいただきたいです)

 

多様性のことを考えるときに、男性における抑圧についても触れました。男女差別とは決して女性だけに降りかかるものではなく、同様に、あるいは裏を返した形で、男性にもなんらかの抑圧を生んでいると考えています。

 

ですから大事なことは、「男女ともに共通して得るべき概念」でしょう。どちらも共通した目標をもち、そもそも「性別によって目標が「異なる」状況から抜け出すことはできないでしょうか。

 

それこそが、「選ぶことができること」です。人生には数々の選択肢があります。その選択肢に出会った時に、自分の本当の気持ちではなく社会的に規定された抑圧によって選択が歪められないような社会が「誰にとっても」良いのではないでしょうか。

 

貴重な家族との時間を、ビジネスによって奪われてしまうよりは稼ぐ力が高い奥さんにお金のことは任せて、その分家族全体が一緒にいられる時間を持つのもいいでしょう。自分の力を伸ばしたい女子高生が大学に行くのもよいでしょう。出産のあと家庭で落ち着くもよし、その後戻りたければ戻れる環境があればなおよいでしょう。

 

この「選ぶ力」の平等こそが、男女共通して求めるべき理想なのです。その中で様々な議論があることはもちろん承知の上ですが、この大前提を共有していないことによる議論のすれ違いをよく見かけます。

 

豊かであること、とはなにか

現代社会、とりわけ先進諸国は多くの場合「多様性を尊重した社会」へと変わっていっています。自由主義的な考え方ですね。「みんな違ってみんないい」すなわちムラ社会のような集団による抑圧によって選択肢が歪められない社会と言えると思います。

 

日本はダメだ、と論じるつもりはありません。欧州でも依然、男女差別といえることはたくさんあります。しかしながら、「豊かさ」とはどんなものかを真剣に考える機会が少ないかもしれません。

 

お金がたくさんあればいいのか、文化資本に触れられる環境が大切なのか、ライフワークバランスについて考えられているのか、多くの論点があるでしょう。個人的には、徐々に若い層から「お金だけじゃないな」という価値観が「ある」ことは共有されているような気がします。

 

まとめ

ということで、長い文章を書いてしまいました。しかし、大きくまとめると以下のようになります。「選ぶ力における平等こそが、性別を超えて人が求めるもの」であるということです。そして、それが「豊かさ」にも直結していくということです。

 

少々専門的な内容になりますが、これこそが「正義論」で知られるジョン・ロールズの考える社会構想と極めて近いのです。あらゆる選択肢があることを許すこと、それが社会の構造として必要なことなのだというんですね。

 

様々な選択(善の基準)を守ること、それが正であるという彼の考え方に深く同意します。これこそが価値多元主義と言われる現代における、最も重要な概念の一つであることは間違い無いでしょう。

 

自分自身の選択に、今まで多くの社会的抑圧が関係していたことは、多くの人が同意するのではないでしょうか。そして、それがなければ違う選択肢を取っていたかもしれません。そういった感覚を「持ちたい人などいない」ということを誰もが共有すれば、男女平等問題は大きく進展すると思うのです。

 

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