1万円台のWindowsタブレットが登場
プランナーの美谷広海氏が、1万円台でWindowsタブレットが登場して、Macの市場を脅かすのではないか、という趣旨の記事を書いています。
紹介されている1万円タブレットは、東芝のEncore mini WT7-C16 Tablet。中華タブレットなら1万円台は珍しくはありませんが、国産なんですね。
安かろう悪かろうはどこにでもある
1万円台でWindows8.1が搭載されている国産タブレットを買えるってのは、実にいい時代になったなぁと思いますが…安価のWindowsタブレットがappleを脅かすって発想は、正直まったく理解できませんでした。
タブレットにせよ、ノートパソコンにせよ、「安かろう悪かろう」という原則が基本的には妥当する世界です。1万円台のタブレットと3万円するiPad miniを比較するってのは、それだけでもナンセンスのように感じてしまいます。1万円のWindowsタブレットスゲーって美谷氏は書いていますが、メモリ1GBではofficeを使うのもちょっと心配になります…。(まぁiPad mini Retinaもメモリ1GBですが)
美谷氏自身も「ジャパネットでバンドルした独自モデルを販売するのにピッタリ」と書いていますが、要はそういう層をターゲットにしたような商品なわけです。appleを使っている層って、ジャパネットたかたで購入するような層とはある意味で対極に位置しているような気がしてならない(偏見でしょうか)。
ブロゴスのコメント欄で、「百円ショップが全ての店舗を破壊するような話をされても…」という意見がありましたが、これがすべてだと思います…w
ノートPCの需要を奪う可能性はある
ただ、appleの市場とはバッティングしないにしても、ウィンドウズのノートPC市場とバッティングする可能性はあるかと思います。Windows内部での構造変化が起きることは、多少はありえるかなぁ。
個人的な話になりますが…ずっとノートPCユーザーだったわたし、最近Surface pro3が欲しいなぁと思っています。購入したらタイプカバーとマウスを使って、ほぼノートPCと同じように使う予定ではありますが…。安価なウィンドウズタブレットで、ノートPCの代替になるかどうかは分かりませんが、Surface pro3なんかは、完全に従来のノートPCユーザーを狙ってきている感じがします。
appleの今後よりも、Microsoftが今後どうなっていくのかって問題提起の方が個人的には興味がある。Windows9はどうなるのか…。
記事引用
そしてドイツで開催されているIFA2014にて東芝が7インチのWindows8.1搭載タブレットEncore Miniを約13000円($119.99)で発売するとの発表があり、すでにアメリカでは販売が開始されています。
▶︎GIGAZINE:東芝が激安1万3000円のWindows 8.1タブレット「Encore mini」を発表オンラインストアではいま、購入すれば9/19頃に発送されます、と表示されてますね。▶︎TOSHIBA: Encore™ mini WT7-C16 Tablet
これは安いです! HDMI出力がなかったり、液晶の解像度が1024×600どまりだったりとしますが、この価格なら十分でしょう。メモリは1GBですが、CPUはZ3735Gをちゃんと使っていますし。
この機種の発売にともなって、既存機種の値下げが起きるのはもちろん、続々と類似機種が競合各社から発売されることになると思います。
Encore miniの登場で、1万円台前半で本体が約355gというコンパクトなポディーでWindows OSの実行環境が手に入るようになった、ということになります。
HDMI出力に対応したモデルはWindows OSのライセンスによる縛りがあれば出てこないかもしれませんが、それでも日常の多くのシーンで手軽に持ち歩けるWindows OSデバイスがこの低価格で入手できるのが当たり前になっていきます。
これだけの低価格かつコンパクトな端末でPCのOSが実行できるようになってくるとPCの使い方に大きな変化がもたらされることになってくるでしょう。タブレットにWirelessのキーボードとマウスを加えればPC同様に使うことが、かなりの自由度でできるようになるわけですから。
またこの値段だと、学校や会社専用端末はおろか、学年ごとに専用の端末を用意して教育目的に販売できてしまいます。語学学習用のロゼッタストーンなんて、プリインでWindowsタブレットとバンドルで販売してもいいんじゃないかな。
中古で手放すことを考えたら、ほぼ使い捨て感覚でいけちゃいます。
会社と自宅で別々のデバイスを置いておくのはもちろん、一部屋に一台置いたり、旅行先の空港やホテル、機内で端末を購入したり。
ジャパネットたかたがいろいろなものをバンドルした独自モデルを用意して奥様方に販売するのにもピッタリです。いろいろ付いて3980円の5回払い、とかでいけちゃう訳ですから。
過去にも100ドルPCといった低価格ミニノートが話題になりましたが、今のWindowsタブレットはソフトウェアの実行速度がその時よりもはるかに快適になっていますし、micro USBだけで充電でき、駆動時間も長くなり、タッチ操作ができるなど使い勝手が大幅に向上していますので、その時とは全然違うと思います。キーボードなど入力装置はこだわりたい人はお金をかけて良いものや、自分に一番あったものを選ぶこともできますし。
一方でMac OSで同様の環境が実現するのか、と考えてみるとこれはかなり難しいような気がします。将来的に重さ350g程の軽量な本体でMac OSは実行できる製品が発売されるかもしれませんが、ここまでの低価格で出してくるというのは難しいのではないでしょうか。
またMacはしばらくはiPadをiOSで販売していくことに注力し続けていくと思いますので、これほどの小型のデバイスでMac OSが動作する製品はここ1、2年では出てこないのではないかと思います。
ちなみに現在、発売されているiPad miniが重さ331gで価格が29800円(米国$299)。最小のMacOS端末であるMac miniが56800円(米国$599)です。
残念ながらMac OSで同様のことが実現するようになるのはしばらく難しいんじゃなかな。
アップルとしては、PCのOSをタブレットに持ってくるよりも逆にiOS(iPad)でWindowsのPC市場を駆逐していくことも視野に入れていたのかもしれませんが、これだけ低価格でWindowsタブレットが出てくると、それはもう成立しないでしょう。(Windows OSの競合はAndoridやChrome bookだという話もありますが)
こうしたローコストのWindowsタブレット端末の普及が、今後Windowsの大きな巻き返し&Macの凋落の大きなきっかけになるかもしれません。
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