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フードスタンプ利用激増? アメリカにおける新自由主義の行く末は

アメリカといえば、「福祉が弱いが代わりに自由を与え、アメリカンドリームと呼ばれる光の裏に、厳然たる格差が存在している」といったイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、実は日本よりもGDP比で多くの金額を福祉のために投じているというデータもあります。福祉とは、国家とは、どんなものなのでしょうか。



アメリカ国勢調査局の最新の報告から、アメリカでは依然として貧困が続いており、4700万人の国民がフードスタンプと呼ばれる無料の食料クーポンを必要としていることが明らかになりました。

 

タスニーム通信によりますと、アメリカ国勢調査局は、「昨年は、国民の45.3%が貧困状態にあった一方で、貧困率は昨年末にかけて15%から14.5%に下がった」としています。

アメリカ国勢調査局によりますと、2009年から2011年にかけて、アメリカ国民全体のおよそ31.6%が、1年間に少なくとも2ヶ月間は貧困状態にあったということです。

アメリカの新聞ワシントンポストは、「アメリカ国民のうち4700万人が、フードスタンプを必要としており、この数字はオバマ大統領の就任が決定した時期より、1300万人増えている」と報じました。

こうしたニュースが報じられる中で、アメリカはジョンソン大統領の提唱した「貧困との戦い」から50周年を迎えています。

1980年代、市場の自由化や民営化が始まってから、貧困者の数が激増しました。

 

via: アメリカで、4700万人にフードスタンプが必要

 

フードスタンプとミクロ経済

さて、皆さんフードスタンプという言葉を一度はお聞きになったことがあるかと思います。すなわち、貧困層に対して直接金銭を渡すことで生活の質を上げるものではなく、「食べ物の購入にしか使えない」スタンプを(今ではICカードの形で付与されることが多いようです)渡す福祉政策です。これは、日本の生活保護問題についても「現物支給を」といった考え方があることからわかるように、用途を限定することでより効果的でピンポイントな福祉政策が行えるという判断の元で行われています。(とはいえ、このフードスタンプを不正に売却して現金に換算し、ギャンブルなどに使う人達がいるのもまた事実ではありますが)

 

ミクロ経済の世界では、価値を与えるという意味ではこのように使途を限定した給付は、現金での給付に比べて自由度が低いので好ましくないと判断されますが、現実を見てみると現金を渡すデメリットもいくつかありますから、政策レベルでの判断として現物支給に近いフードスタンプというやり方が取られるのも納得ではあります。

 

新自由主義とアメリカ

このような福祉政策を行うのは、アメリカにとってどんな意味があるのでしょうか。経済学的に言うなら、最初大きく力を持ったのは「国富論」で有名なアダムスミスが提言した「レッセフェール」でした。すなわち、市場に全てを委ねることで経済は安定するという考え方です。このような考えにおいては、国家は国民に極力介入しないことが重要になります。つまり、福祉を行わない「夜警国家」というわけです。

 

しかし、そのような国家のシステムを採用したことにより格差は拡大、貧困にあえぐ人達が増え続ける中で、苦渋の選択として新自由主義(これは訳語が複数あるので混乱を招きますが、この場ではこの用語を使います)が勃興してきます。つまり、市場の自由を優先しつつも、最低限度の福祉は提供しなくてはならないという考え方です。小さな政府を貫きたいものの、現実の問題に直面したことでアメリカの国家としての構造は変わっていきます。事実、日本とアメリカの福祉に使う予算をGDP比で出すと、アメリカの方が日本よりも多くの金額を支出していることがわかります。

 

「ニューリベラリズム」(: New Liberalism)。初期の個人主義的で自由放任主義的な古典的自由主義に対して、より社会的公正を重視し、自由な個人や市場の実現のためには政府による介入も必要と考え、社会保障などを提唱する[2]

via: 新自由主義 – Wikipedia

 

日本の社会保障給付費の水準は、世界からみてどうなっているのでしょうか。
国内総生産(GDP)に占める社会保障給付費の割合を、ILO(国際労働機関)が定める基準にもとづき、「医療」「年金」「福祉他」とその合計について、比較してみました。
 福祉先進国といわれる北欧のスウェーデンやドイツ、フランスに対し、日本はかなり低い水準となっており、公的医療保険が未整備であるアメリカと同水準となっています。日本の水準は、ヨーロッパ諸国の3分の2、北欧諸国の2分の1であることがわかります。
 今後求められるのは、国と企業の負担で国力にふさわしい社会保障の充実です。



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 社会保障への国の支出を減らすという政策は、世界的な流れなのでしょうか?政府が社会保障に対して、どれだけ国庫支出しているかを、国内総生産(GDP)に占める割合で比較してみましょう。
 日本以外の5カ国をみると、平均で5.9%から7.8%へと、国庫支出を増やしているのに対し、日本だけが4.1%から3.4%に、その割合を低下させたことがわかります。1980年代から1990年代にかけて20年間は先進各国で、老人人口の増加が頭打ちとなるなか、日本だけが世界一のスピードで老人人口を増やした期間でもありました。日本の姿勢が、いかに世界の流れと比べて、異常であるか明らかです。

via: 日本の社会保障の水準を比較してみましょう

 

日本の社会権保障の流れ

このように見てみると、低福祉国家と言われ「国民に自由と格差を与える」という負の側面が強調されやすいアメリカよりも、日本のほうが更に悪い状態であることが明らかになってきます。そのうえ、最近では「生活保護を打ち切れ,支給額を下げろ」といった意見も2chやtwitterで度々見かけるものになっています。しかし、どうでしょう。アメリカの格差社会については様々な本が出されています。堤未果さんの「貧困大国 アメリカ」などがわかりやすいでしょう。しかし、そこで描かれる格差よりも更に社会保障の少ない国、日本。これ以上、社会保障にお金をかけないという方向に持っていくメリットを示すデータを見てみたいですね。

 

3115lHwoKQL. SL160  フードスタンプ利用激増? アメリカにおける新自由主義の行く末は
堤 未果
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大きな政府の限界も

とはいえ、社会保障費が増え続けることは既に危惧の念も多くの方が持っていると思います。事実、社会保障についてはこのままのスピードで増え続けると維持は困難であるというデータも出ているようです。

 

[東京 7日 ロイター] 税と社会保障の一体改革において、社会保障の財源となる消費増税10%への引き上げという負担のみが国際公約となる一方で、肝心の社会保障制度についての本質的な議論が遅れている。

 6月末に示された「成案」は高福祉の維持が盛り込まれ持続不可能との指摘が相次いでいるが、国民には負担と給付についてその他の選択肢は示されていない。社会保障制度を抜本改革しない限り、消費税は10%どころか25%が必要との指摘も浮上している。税率も制度も小出しの議論が続いているが、全体像と選択肢が示されぬまま国民の将来不安が増幅すれば、必要以上に景気を冷やしかねない。

via: 消費税10%の国際公約で負担先行、維持不能な社会保障に懸念 | Reuters

 

大切なのは「維持可能性」を持ちながら、福祉をこれ以上切り詰めないようにしていくことになるといえるでしょう。そのためには、大きな方向性が必要です。

 

再社会化志向と予防志向

それが、再社会化志向です。紙幅の関係であまり書けないのですが、簡単に言うと「いかに社会保障で人を助けるか」ではなく「いかに社会保障を受けないでもいい状態を作り出すか」「社会保障を受けたとしても、いかに早く自立出来るよう援助するか」という観点を持つということです。老人介護の場合など、単に社会保障で援助を行うだけではなく、要介護レベルを上げないような予防的治療が有効でしょう。また、生活保護の場合は生活の援助に留まらず就労支援に力を入れることで「再社会化」を容易にすることが出来ます。これは一時的な出費の拡大は避けられませんが、その後の費用の拡大を抑えるために非常に重要な効果を持つでしょう。

 

まとめ

小さな政府にも、大きな政府にも問題点は間違いなく存在しています。小さな政府を固持することで起きる格差拡大の問題は政府そのものの安定すらも揺るがしうるものになることがあります。とはいえ大きな政府の維持には莫大な費用がかかることも間違い有りません。大事なのは、いかに「維持可能性のある」福祉政策を考えるか。「再社会化」と「予防」については今後ますます重要視されることは間違い有りません。

 

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コメント

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  • コメント (3)
    • キジトラさん
    • 2014年 9月 26日

    年寄りをさっさと処分するというやり方もある。

    • キジトラさん
    • 2014年 9月 26日

    日本って一人当たりのGDPは24位(2013年)だからなぁ。

    • キジトラさん
    • 2014年 9月 29日

    おっしゃりたいことは十分わかります。日本の社会保障は問題点も多いですし、基本、主旨に賛同しますが、議論の元となる資料が古すぎませんか。1997年の日本の資料とか、アメリカも1992年とか、22年前の数字ですよね。現在の政策について、リアルな議論をするには、せめて2010年代のものがあればと感じました。

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