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ビル・ゲイツが永遠の一冊と勧める「暴力の人類史」に描かれる世界の未来は

毎年読んだ本の中でもオススメを紹介する読書家のビル・ゲイツが最高の一冊として紹介しているのが暴力の人類史。世界は今まで一貫して平和になり続けているという内容です。



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「私たちは人類史上、最も平和な時を生きている」ということを論じたスティーブン・ピンカー氏の「暴力の人類史」について、ビル・ゲイツ氏が「進歩の説明について、こんなにも明確に記した本を見たことがない」と紹介しています。読書家のゲイツ氏は毎年「その年に読んだ中で特に興味を引かれた本」を紹介していますが、暴力の人類史については「ここ10年読んだ中で最高」「『今年の』ではなく『永遠の一冊』」としています。

My new favorite book of all time | Bill Gates
https://www.gatesnotes.com/Books/Enlightenment-Now

ゲイツ氏がオススメする「The Better Angels of Our Nature」は2011年に出版され、日本では「暴力の人類史」として翻訳されています。近年、テロや戦争のニュースが多く報じられていますが、「暴力の人類史」は「人の歴史を通じて暴力は一貫して減少している」ということを直積的な証拠・統計的な議論を積み重ねて論じたもの。

ゲイツ氏が「本の中で示された、わたしのお気に入りの5つの事実」として記しているのは、以下の5点。

・落雷で死ぬ確率は20世紀初頭に比べて低くなった
これは落雷の数が減ったのではなく、天気予報能力の向上・安全教育の改良、そして落雷の影響を受けやすい森林周辺から離れて人々が都市に住むようになったのが理由とのこと。

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・1920年、洗濯にかける時間は週に11時間半だったが、2014年には1時間半になった
これは歴史的に見て取るに足らない事柄のように聞こえますが、洗濯機の登場は人々、特に女性の自由な時間を増やし、生活の質を向上させました。空いた時間で人は本を読んだり新事業を始めることができます。

・仕事中に死ぬことが少なくなった
近年において、アメリカで仕事中に死亡する人は年間5000人ほどですが、1929年にはなんと年間2万人も死亡していました。当時の人々は「仕事場で死ぬこと」を「仕事で発生する『犠牲』の一部」として見ていましたが、今では危険を避けるさまざまな方法が編み出されています。

・世界的な平均IQは10年で3ポイントずつ上がっている
生活環境が清潔になり、栄養状態が向上することで、子どもたちは脳を発達させていっています。ピンカー氏は分析的思考の重要さを感じており、抽象的思考を子どもの頃から行うことで、人はより賢くなれるとのこと。

戦争の違法化
いくつかの例外はありますが、国際的な制裁や調停役の存在は、国家間での戦争を抑止する効果があると証明されています。

本の内容は、ピンカー氏とゲイツ氏の対談の中でも触れられています。

Bill Gates & Steven Pinker Discuss Enlightenment Now – YouTube


写真の男性がピンカー氏。ハーバード大学で心理学教授として研究を行っています。

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一部の期間だけを切り取ってみても、1990年から2015年にかけて飢餓は激減。

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幼児の死亡率や……

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自動車の死亡事故など、さまざまな分野で死亡率の減少が見られます。

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ゲイツ氏の関心は、「現実はよくなっているのに、人々の見方は悲観的であり、そこにギャップがある」ということ。実際のデータは「過去より現在の方がよくなっている」と示しているのに、なぜ人は「過去はよかった」「未来は悪くなる」と考えてしまうのか、ということだそうです。

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「心理学者として、私にとってもそれは非常に興味深いことです」と語るピンカー氏。これは「ニュースの性質」と「認知の性質」という2つが化学反応を起こすためだと説明されています。

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つまり、ニュースは「起こらなかったこと」ではなく「起こったこと」を伝えます。そのため「3月の火曜日は飢餓が減った」ということはニュースにならないのです。

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ピンカー氏によると、全ては発想の問題。「宇宙は我々のことなんて気にしていません。私たちはエントロピーの法則に従っています。物は壊れ、生き物は進化します」

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「問題は山積みですが、どのように世界は動いているのかを理解し、人々が向上し、少しずつ成功を重ねていけば、21世紀の知識人の間で人気のある『進歩の見方』とは違う見方ができるはずです。少しずつではあるが進歩していると、事実がそう示しているのです」

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なお、暴力は一貫して減少傾向にあるのに、なぜ私たちはネガティブなニュースに固執し、悲観主義になってしまうのかという議論についてはハンス・ロスリング氏が「Factfulness」という著書で論じているとゲイツ氏は記しています。この本についても「近いうちにレビュー予定」とのこと。

一方で、人工知能については、ピンカー氏の考えは「ちょっと楽天的すぎる」とゲイツ氏は指摘。「ロボットが作り手である人類を転覆させる」というアイデアはピンカー氏にはないそうです。「私は『我々はターミネーターのような危険のまっただ中にいる』とは思いませんが、その根底にある『誰がロボットをコントロールするのか?』という恐ろしさを抱くことは妥当だと思います。まだその時期ではありませんが、どこかのポイントで、『誰がAIを持ちコントロールするのか』ということが国際機関にとって解決すべき問題となるでしょう」とゲイツ氏は語りました。

via: ビル・ゲイツが「ここ10年で読んだ最高の一冊」を発表、選ばれた「永遠のお気に入り」とは? – GIGAZINE

 

本好きなビル・ゲイツ

知らない人はいないのではないかと言えるほど世界的に有名で絶大な権力を資産を有し、かつあらゆる社会問題に対して積極的な解決を行おうとしているこの時代の覇者の一人、microsoft創業者のビル・ゲイツは物凄い読書家であることもよく知られています。

 

彼が持っている知識は尋常なものではありません。ビル・ゲイツ財団という莫大な資産を持った財団では、この世界のあらゆる問題に取り組むための投資を行っています。子どもたちがタブレットなどを使って今までより効果的に学習するための教育システムもそうですし、かと思えばエイズを防ぐために「付けたほうが気持ち良いコンドーム」の開発、インターネットに繋がる地域を増やすためのインターネット普及活動など、この世界を良くするための活動を行う彼が毎日行うインプットは縦横無尽です。

 

そんな彼が勧める本ですからもちろん素晴らしい本に違いない、というわけで今回は暴力の人類史を選択されたのですね。といってもこの書籍の販売自体は2014年ですし、日本邦訳版も2015年には出ています。一年で一番良い本ではなく、この10年でも最高の本という評価を受けているわけなので素晴らしいですね。

 

人類と暴力の歴史

ことさらに強調する必要もないことですが、人類は常に暴力を抱えていました。王族という存在自体が、他の人たちからあらゆるものを簒奪してきたことを示しています。誰のものでもなかった土地を自分のものだと宣言し、人が自分のものだと主張する土地を奪い、誰にも奪われないように守り、血みどろの殺し合いの歴史と国家という概念はセットのものです。

 

また、子どもが死ぬ割合も昔ははるかに酷いものでした。例えばギリシアでは、嬰児を犬に食わせて殺しても罪に問われませんでした。奴隷を殺しても罪にはならず、単に物を壊したときと同じ損害賠償で済んでいた時代がありました。人の命というものも、今よりずっと軽く扱われてきた時代がほとんどです。

 

最近のテロリズムの問題も多くの人が死んでいますが、マラリアなどの感染症や黒死病などのパンデミックによる「国民の1/3が死ぬ」といったレベルのとんでもない死亡者が出ることは減っています。それらはとりもなおさず科学や医療の発達とセットです。そういう意味で、この世界が平和になり続けているというのは事実でしょう。興味深い話ですね。





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