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原爆は不要だった。アメリカの教科書で人道的犠牲に重きをおいた記述も

原爆は不要だった。そんな言葉がとうとうアメリカの教科書に載るようになってきたようです。歴史は解釈によって変わっていくものですが、私たちはアメリカにどのような態度を向けることが出来るのでしょうか。

 

 戦争を終わらせるため原爆は必要だったという考え方は、今もアメリカでは主流だ。しかし、歴史的資料や証言から、原爆投下は必要なかったと結論づける研究者たちもいる。オバマ大統領広島訪問を機に、偏ったアメリカでの原爆の議論を、より多様にすべきと1人の歴史学者が主張している。

◆都市への原爆投下以外の選択肢もあった
 ピュー・リサーチセンターの2015年の調査によれば、原爆投下を正当化するアメリカ人は、56%で、調査に回答した人の半数以上は、原爆は必要だったと考えている(ワシントン・ポスト紙、以下WP)。

「原爆は不要だった」と主張する軍事歴史家のイアン・トール氏は、ニューヨーク・デイリー・ニュース紙(NYDN)に寄稿し、原爆は大量の犠牲者を出したであろう日本本土の戦いを避けるための最終手段だったというのがトルーマン政権の説明であり、この見解はアメリカ社会で代々受け継がれ、議論の余地は与えられないと述べる。

 しかしトール氏は、実はトルーマン大統領は警告なしの原爆投下か本土侵攻かの絶対的二択を迫られていたのではなく、他の選択肢が用意されていたと述べる。当時、日本の指導者たちも敗戦を意識しており、天皇制の継続を許可するという条件でなら、1945年11月までに降伏する可能性は高いと見られていたとも指摘している。

 結局、トルーマンは、まずアメリカが原爆を所有しているという警告を日本に与え、必要なら軍事的標的を狙って投下することに同意した。「標的は軍事施設、兵士とし、女子供は含まない」よう側近に伝えていたという。ところがその2週間後、事前の警告もなく、広島に原爆が投下された、とトール氏は述べている。

◆上層部にも反対は多かった
 メリーランド大学の政治経済学者、ガー・アルペロビッツ教授は、多くの米政治家、軍幹部が、原爆投下に反対だったことを、ウェブメディア『Salon』で指摘する。当時司令官だったアイゼンハワー米第34代大統領は、後日インタビューで原爆は必要なかったと語り、回顧録では、当時もはやアメリカ人の命を救う策として必須ではなかった武器を使用することに対して抵抗があった、と記している。統合参謀本部議長だったウィリアム・リーヒも回顧録で、「最初に(原爆を)使うことで、我々は中世暗黒時代の野蛮人の倫理基準を採用したことになる。戦争はそんな風にやるものと習わなかった。女子供を殺すことで戦争には勝てない」と語っている。

 マッカーサー元帥も同様の考えだった。1985年同氏は、ニクソン元大統領に、原爆も他の武器と同様に使用に制限が加えられるべきだったと熱く語ったという。ニクソンは「彼は兵士であり、武力は軍事施設を狙うものと信じていた。だから原爆投下を嫌悪していた」と述べている(Salon)。

◆何が決め手だった?
 多くの不要論があったにもかかわらず、なぜ原爆は落とされたのか。トルーマンの突然の方針変更は、国務長官バーンズとの一対一の会談によって決められ、それに関する文書は残っていないとトール氏は説明する。二人はソ連にアメリカの力を示し、威圧する手段として原爆を使った、というのが最も有力な説だと同氏は述べている(NYDN)。

 AFPは、トルーマンはポツダム会議で英ソの指導者とともに、無条件降伏を受け入れなければ迅速かつ徹底的破壊を受けることになると日本に勧告したが、日本の鈴木貫太郎首相の「黙殺」という記者団への言葉が、「何も言うことはない(no comment)」ではなく、「見解を述べるに値しない(not worthy of comment)」と訳されたことで、米関係者が憤り、断固たる手段に出ることを決めたと説明している。この話は、米国家安全保障局の誤訳の危険性についてのレポートに記されているらしい。

 いずれにしても、原爆投下が、次の半世紀のソ連との軍拡競争に触媒作用を及ぼすとは、だれも認識していなかっただろうとAFPは述べている。

◆原爆の議論には異なる意見も受け入れるべき
 トール氏は、原爆が不要だったという考えは「修正主義」と見られ、広島のタブーを無視する軍事歴史家は、ツイッターで炎上し、公の場で野次られ、アマゾンの書評では一つ星しか得られず、最終的には生活に困窮することになると述べる。しかし、歴史家の仕事は、見えたとおりにボールかストライクかの判定をすることだとし、自分の見方を維持する意志を示している(NYDN)。

 同氏はまた、従来と異なる解釈に人々が慎重になるのは理解するとしながらも、原爆の議論にも、複数の意見を入れる余地があってもよいのではないかと述べる。WPによれば、原爆のアメリカでの教え方も変化し、戦略的価値から人的犠牲の方に重きを置き、教科書も偏った記述をやめて多様な見方を示すようになっているという。前述のピュー・リサーチの調査では、18~29歳で原爆を正当化すると答えたのは47%となっており、教育の影響と見ることもできそうだ。

 オバマ大統領の広島訪問は正しいとするトール氏は、歴史的に触れにくい問題も、時が自然に和らげると述べる。オバマ大統領は我々アメリカ人を代表し、頭を垂れ、花輪を手向け、悲劇は二度と起こしてはならないと宣言してくれればよいと記事を結んでいる。

via: “原爆は不要だった”米国でタブーに挑む学者も…71年経て変化する米世論 | ニュースフィア





情報の整理

まずは情報を簡単にまとめていきましょう。アメリカの歴史学者が、原爆は戦争の終結のために投下されたわけではないと明言しました。戦争を終結させるためには仕方なかった(正当化される)と答えるアメリカ人が56%もいる中、事実はどうなのでしょうか。

 

歴史学者が言うには、投下以前の段階から天皇制の維持を条件に敗戦を認めるという動きが日本にあったことをアメリカは事前に把握していたといいます。その場合、核爆弾を伴わない戦争終結は可能だったといえるでしょう。

 

しかし、それと同時に彼は「このようなことを言うと歴史修正主義者だと罵られ、Amazonのレビューは☆1つが並び、最終的には食べていけなくなる」とまで言います。そんな状況に対して、日本はどんな態度を向けるべきなのでしょうか。

 

歴史は変わる

  歴史は変わります。よく、過去は変えられないといいますが歴史は変わります。なぜなら、新しい事実が発覚するなどして同じ行動に対して違う解釈が出来るようになるからです。

 

今回の場合だと、「戦争を終結させるために仕方なく原爆を使った」という今までの歴史解釈に、新たな事実「原爆を使わなくても戦争は終結可能だった」が追加されたことで解釈に変更が生まれうるということです。

 

ここで問題になるのは2点。まず第一にそれは事実なのか、誤りなのかということ。そしてもう1つが、その事実を認めてもなお原爆は落とすしか無かったというのが大きな論点として整理されるべきでしょう。

 

基本的に、この二点はどちらも水掛け論になります。が、それでもなおそのような意見が表明されることには意味があります。戦争のような双方の国民感情に強く反応を生じさせるものに対しては、間の時間が短いとまだまだ冷静な反応は出来ないものです。

 

しかし、意見さえきちんとまとめられていれば、後年改めてその説が検証されるでしょうから。彼の勇気ある発言に感動すら覚えます。 atomic bomb 原爆は不要だった。アメリカの教科書で人道的犠牲に重きをおいた記述も

 

日本の態度

さて、そのような事実が発覚して日本はどのような態度をアメリカに向けるべきなのでしょうか。個人的には、もう今更このことを責めてもしかたがないのではないかと思います。

 

深い傷跡を残しながらも、ここまで発展することができたのですから決して何もかもが蹂躙され失われてしまったわけではありません。

 

日本がするべきことは、これからはもう二度と同じような惨劇が起きないように国際社会の中でリーダーシップを持って取り組んでいくことです。唯一の被爆国ですから、これ以上の強力なカードはありません。(ある意味で)

 

アメリカを赦しながらも、しかし同じことは繰り返されないようにと活動していくことが日本の高潔な態度として求められるでしょう。

 

まとめ

原爆問題は未だに様々な人達にとってセンシティブな話題です。戦後70年が経ってもなお、その意味は失われることはないでしょう。

 

しかし、同時に当時の犠牲者達がどんどん亡くなっていって、国家としての構成員が入れ替わっていることも純然たる事実です。憎しみを引きずるだけではなく、未来に向かって行動する時が少しずつ近づいているのではないでしょうか。





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