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構造としての暴力…買うことのできないiPhoneを作り続け、フォックスコンの工員自殺

多くの自殺者とAppleとの関係が問題になったことがまだ記憶に新しいフォックスコンの工場で、新しい自殺者が出たようです。過酷な労働条件の中で働かせられ続けることで生み出される魅力的なAppleのプロダクト。いや、多くの世界的企業で同じようなシステムの下で商品が作られています。私たちはそれを当たり前のように受け入れてよいのでしょうか?



 

中国の工場で働いていた青年が自殺する前に書いた詩に共感が広がっている。詩からは、中国の工場でよくある、過酷な労働の様子が垣間見える。

 文学に関心のあった許立志さん(24)は生活のため、2010年から電子機器受託製造大手、富士康国際控股(フォックスコン)の組み立て工場で断続的に働いていた。深セン晩報によると、許さんは9月30日、ビルから飛び降り、自ら命を絶った。その後、友人が許さんの書いた詩を集め、地元の新聞に掲載した。

 掲載されてしばらく経った今、許さんの詩が中国のブログで話題になっている。詩のテーマは、かなわない夢や、頭のおかしくなるような作業、疎外感などで、中国の若者の琴線に触れ、不安を抱える若者の心に訴えかけている。


 「組み立てラインの前でぼくは鉄のように立っている、ぼくの両手は飛んでいる。もう何日、何夜、
こうやって眠りに落ちながら立っているのだろうか」 (2011年、ネットフォーラム「豆弁」に掲載)

 許さんは農村から仕事を求めて大都市・深センにやってきた。いずれはここに居を構え、図書館員になることを夢見ていた。今年に入り恋人と別れ、市内の書店でも仕事を見つけることができず、フォックスコンの工場で再び働き始めた。

 最後の詩「死の床」で、許さんはこう書いている―― 


 「ぼくはもう一度高い山の頂に登りたい、失われた魂を呼び戻したい。また空を感じたい、あの明るい青に触れたい。でもこの何一つできない。だからこの世を去ることにする」


 フォックスコンは2010年、工場で労働者の自殺が相次ぎ、世界の批判の目にさらされた。同社は当時、自殺率が中国の平均を下回っていると述べながらも、それ以降、工場と社員寮の改善に努めている。それでも、こうした工場はここ数年、組み立てラインの人員を探すのに苦労を強いられている。

via: Yahoo!ニュース – 自殺したフォックスコン工員の詩、中国の若者に共感広がる (ウォール・ストリート・ジャーナル)

 

Appleと自殺問題

再びこのような犠牲者が出ることは大変悲しいことです。一度大きく話題になったくらいでは、この世界の構造そのものが変わることはなかったということでしょう。大手の依頼には無理をしてでも答えざるを得ない工場側だけに問題の原因があるとは言い難いでしょう。

 

とはいえ、事実として前回の問題の頃から「自殺率」が特別高い企業だったわけでもないわけで、Appleが関わってなければあんなにニュースにはなっていたなかっただろうとも思います。

 

海外の「ブラック企業」

さて、ブラック企業というのは決して日本だけのものではありません。海外では多くの場合、Sweat Shop(or factory)という言葉を使います。搾取企業、ないし搾取工場と訳されることが多く、意味するところは「安い賃金で長期労働を行わせる」とのこと。日本のブラック企業とほぼ同じようなニュアンスでしょうか。

 

しかし、海外、特に海外の発展途上国のブラックぶりは日本もびっくりのものです。非常に低賃金で働かせた上に、トイレにすら行かせないといった工場(工員はペットボトルを作業机の下に準備して、そこで用を足すといいます。これは人間の尊厳を踏みにじるような労働環境といえるでしょう)もあるといいます。

 

このような問題は最近アカデミックの世界でも大きな問題となり、有名な本ではEllen Israel Rosenの「Making Sweatshops」という本が大変有名です。多くの事例も取り上げられており、「大変なところで働いているとは言っても、それは自分で選んだことなのだから自己責任である」と思っている人にほど読んでほしいです。(ちょっと調べてみましたが日本語訳本はないかもしれません)

 

51qisbhocUL. SL160  構造としての暴力…買うことのできないiPhoneを作り続け、フォックスコンの工員自殺
University of California Press (2002-12-03)

 

私たちとの関係はあるのか

さて、このような海外の悲惨な現状を聞いても正直なところ私たちとしては実感が薄いというのが普通の感想でしょう。痛ましくはあるけれども、どうしようもないようなことに見えるわけですね。

 

しかし実際のところ、こういった劣悪な労働環境で働かせ、安い賃金で長期労働させているからこそ、私たちが買う多くのものの価格は抑えられていることもまた事実です。昔100円均一の異常なまでの安さについてちょっと話題になったこともあったように思います。

 

こちらは、軽く読める小説ですが石田衣良さんのIWGPシリーズの1つ「ドラゴン・ティアーズ」でもこのようなテーマのエピソードが収録されていました。奴隷工場から逃げ出す女の子の話です。若者の目線、口調から語られる「奴隷工場」と私たちの生活との繋がりには冷たいリアリテイがあるので読んでみるのもいいかもしれません。

 

41ATWqu%2BUoL. SL160  構造としての暴力…買うことのできないiPhoneを作り続け、フォックスコンの工員自殺
石田 衣良
文藝春秋 (2011-09-02)
売り上げランキング: 62,739

 

ちょっと書き始めると字数が多くなりすぎるのでここでは大幅に省略しますが、こういった問題に対しては「国」「企業」といったアクターのみならず「個人」もまた義務をもつという国際倫理の考え方があります。企業の商品を買うこともまた、私たちの選択なのであれば、そういった劣悪な労働環境で働かせて作ったものかどうかに対して厳しい視線を向ける義務も含まれるかもしれません。

 

まとめ

きちんとこの話をするためには「予見可能性」や「低いコストで代替策がないのか」といったいくつかの基準によって「公正な競争」として見なせる範囲なのかあるいは「人権侵害」なのかという判断が必要ですから、ここでは厳密な論理展開はできませんでした。

 

しかしながら、こういった問題は現実に私たちと密接に繋がっている問題です。一枚のチョコレートを作るのに、子どもの血も涙も汗も、それによって奪われた教育の機会も、死の可能性もある危険な労働も、積み重なっていることを私たちは知らないで生きています。

 

甘くて美味しいチョコレート一枚の裏にある、苦く目をそらしたくなるような痛みを「知らないフリ」して生きていくのは簡単ですが、先進国としてあらゆる富を享受する人にとっての責務でもあるかもしれません。カカオと児童労働について活動をしている団体へリンクを残して、この記事を終わりたいと思います。

 

ほんのわずかでも興味をもったら是非クリックしてみてください。知っているか知らないか、たったそれだけの違いで世界はまるで異なる姿を見せます。

 

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コメント

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  • コメント (1)
    • キジトラさん
    • 2014年 11月 10日

    カカオとかに関してはフェアトレードがはやればいいんじゃないんでしょうかね

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