人生をまるでRPGのように考える人がいる。高校を出て、大学を出て、就職して結婚して子どもが出来て退職して老後を過ごして、そんな風にまるでステージを進んでいくような感覚で生きていく人達だ。でも、そうじゃない道もあるって知ってた?
かつて日本は「皆婚社会」でした。しかし、近年は生涯未婚率が急上昇し、2030年には男性の3人に1人、女性の4人に1人が占めるという予測も出ています。
via: 「結婚・妊娠・出産」って最後の宗教みたい<生涯未婚時代を生きるわたしたちのコツ>永田夏来/pha – 幻冬舎plus
「生涯未婚時代」とは、単に「結婚しない中高年の増加」のことではありません。「結婚を人生設計に組み込まない若者の登場」のことでもあります。
「結婚、出産を経て配偶者と添い遂げる」という生き方や「正社員となって定年まで働く」という人生設計が社会で共有できなくなった時代に、家族社会学の視点から結婚という選択肢を再考したのが永田夏来さんの『生涯未婚時代』(イースト・プレス)です。
今回は京大卒の元ニート、phaさんをゲストに招き、今まで普通だとされていたライフコースを外れて生きることの、この時代における意味について考えていきます。
決まりきった人生という「選んだ道」
「あー、私このまま平凡な人生で終わるのかなあ」という嘆きが時々聞こえてきます。学校を卒業したら大学に行って、恋愛して4年で卒業してそのまま就職して少し働いたら結婚して子育てしておばさんになって老後を過ごして-そんな人生を想定しているのでしょうか。
でも、実は人生というのは色んな選択肢が用意されています。人生は勝手に進んでいくのではなく自分で選んで進んでいくものです。高校だって全員が卒業するわけではありません、大学も半分くらいの人は生きません、恋愛をしない人もいるし留年する人もいるし卒業出来ない人もいるし就職出来ない人もいるし、仕事が続かない人もいるし結婚しない人もいるし子どもを産まない人もいます。
自分で勝手にいつのまにか「最低限人生で踏んでいくステップ」を想定して、その妄想に縛られているというのだから本当は凄く不思議な話です。こういう風に縛られてしまっている人に対して生涯未婚世代という言葉がいま改めて意味を持ちます。
生涯未婚世代
いま、生涯未婚世代が増えていると言います。一生結婚しないのです。多くの人はそれを聞いた時に、可哀想だとかまっとうでないという感覚を覚えるようです。なぜなら結婚は立派な社会人になった証明だから。実際学校の先生なんかは結婚してないと出世が遠のくと言われいますが、それは明確な差別なので本来であれば許されないのではないでしょうか。
しかし、そのようなネガティブな響きだけを持っているわけでは必ずしもありません。生涯未婚世代の人達の中には「そもそも別に結婚はしてもしなくても良い」と思っている人が一定数いる-しかも少なくない-のは間違いないのです。それを、安易に可哀想などと判断するのは早計です。
そもそも、なぜ人は結婚するのでしょうか。好きな人がいるから、子どもが欲しいから、そんな理由だとしたら別に結婚なんかしなくたって良いでしょう。好きならそのまま一緒にいればいいし、結婚しなくても子どもは産めますから。一体なんで私達は結婚するのでしょうか? してもしなくてもよいものなのではないでしょうか。
結婚するな! というわけではありません。しかし、結婚というのも一つの選択肢として悪くないよね、そのくらいの感覚になってみてみると社会の多くのハードルというのは実は全部こんなものだということに気づけます。殆どのことは別に絶対やらなくちゃいけないことなんかじゃないのです。そういうのがあると思っていれば思っているほど苦しくなります。
人生はRPGのようにステージで進んでいくわけではなく、寄り道してもいいし、そもそもゴールなんてないかもしれない。こういう考え方が好きな人は、是非この障害未婚世代という本を読んでみて下さい。きっと共感するはずですよ。
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