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少子化対策のために子と親が近くに住む「近居支援」をすることは正しいのか?

近居支援

石破茂地方創生担当大臣が鹿児島の講演で「少子化対策のために、近居支援を」と訴えたそうです。このニュースを受けて、ブロガーわんこ☆そば氏が「日本の殺人の半分は親族間で行われているんだから、一家団欒とか夢見過ぎだ」との主張をしています。

 

言わんとしていることは分かるんですが、批判の仕方・論理構造があまりにもアレで、わんこそば氏にはちょっと賛同しかねます。



親族間の殺人と家族の殺伐さは関係ない

石破茂氏は「本当はおじいさん・おばあさんと三世代で一緒に暮らすのが一番よく、そうした環境では子供が産まれやすい」と言及。

 

国家が家族の理想の在り方を示すって点に、違和感を覚えて、殺人の割合などを調べたってところなんでしょうけど…その批判の根拠として殺人事件における親族同士の割合などを用いたのは論理的に不適切でしょう。

 

「殺人の半分は親族間=日本の家族は殺伐としている」という論理関係はなり立ちません。家族同士を近くに住まわせることで、日本の殺人が増加する…みたいなトンデモ論になってしまいかねない。

 

国が家族に口出すな

ただ、国家や法律が家族の理想像を示すのに抵抗を覚えるって感覚は分からないではありません。

 

わんこそば氏が言うように、家族はみんながうまくいっているわけではなく、崩壊している家族も多いものです。「だからこそ、法律などで理想像を示すべきだ」という意見もありえるでしょうし、「だからこそ、理想は示すべきではない」という意見もありえるでしょう。

 

前者は、理想を示すことで状況が改善する可能性があると考えるもの。後者は、理想を示すことで、かえって理想から遠い人たちがグレてしまう可能性を憂慮するものw

 

わたしはどっちかというと後者です。これが理想だって人から言われたら、反発したくなる厨二心w価値観の押しつけは良くないって点だけはわんこそば氏に同意。

 

近居支援自体は賛成

ただ、近居支援自体にはわたしは賛同。近居を強制するわけではなく、あくまで支援するだけですから。望む人に手を差し伸べるってのはアリでしょう。遠くに離れて住む家族たちがこの支援策に反発するってのもあまり考えられないかなぁって思っている。たぶん、家族同士近くに住んでいて(仲良く)育児した方が楽だってのは、彼ら自身もよくわかっているでしょうから…。

 

石破氏の政策を批判したいのであれば、「近居支援」に対して正面から論じるべきだったんでしょうねぇ。ブロゴスのコメント欄でも批判が圧倒的多数でした…

 

記事引用

石破地方創生担当大臣は鹿児島市で講演し、地方創生の実現に向けた少子化対策の一環として、 子どもを産み、育てやすい環境を整えるため、若い世代とその親の世代が近くに住むことができるような 支援策を検討していく考えを示しました。

この中で、石破地方創生担当大臣は、内閣の重要課題の1つである地方創生の実現に向けた 少子化対策に関連して、「子どもがたくさん産まれるということは、『男性がどれだけ家事をするか』に かなり密接に関係している。本当は、おじいさん、おばあさんと三世代で一緒に暮らすのがいちばんよく、 そうした環境では子どもがたくさん産まれやすい」と指摘しました。 そのうえで、石破大臣は、「同居と同じように、近くに住む『近居』というものが考えられないか。 味噌汁が冷めないような時間に集える居住形態に対し、何か支援ができないものか」と述べ、子どもを産み、 育てやすい環境を整えるため、若い世代とその親の世代が近くに住むことができるような支援策を 検討していく考えを示しました。

Via:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141109/k10013067431000.html

 

常々感じますが、“家族は無条件で仲が良くて円満で一家団らんである”ってのは何をどう考えたらそういう結論になるんですかね。テレビの見過ぎなんじゃないのって思います。

DVや児童虐待といった話は報道レベルでも決して珍しい話ではなくなってるし、介護疲れで家族を殺したなんて事件も報道で目にすることはしばしばです。
フィクションなんかでは「子供を愛さない親がどこにいますか」なんてセリフがよく見かけられますが、残念ながら家族間での殺人は決してレアケースではありません。

www.moj.go.jp/content/000112398.pdf

昭和54年以降の殺人について,被疑者と被害者の関係別の検挙件数並びに親族率(検挙件数に占める被害者が被疑者の親族である事件の比率)及び面識率(検挙件数に占める被害者が被疑者の親族又は親族以外の面識者である事件の比率)の推移を見たものである。昭和54年から平成15年までは,ほとんどの年で親族以外の面識者に対する事件が親族に対する事件よりも多かったが,16年以降は逆転し,親族に対する事件が最も多くなっている。

親族率は,平成16年から上昇傾向にある(23年は52.2%)。面識率は,昭和54年以降のほとんどの年で80%台後半であり,おおむね横ばいで,非常に高い水準で推移している。逆に言えば,検挙件数に占める面識のない相手に対する殺人事件の比率は10%強と低い水準である。

実に殺人の半分は親族間で行われているということになります。この現実から目を背け、まさしく絵に書いたような一家団らんを夢見て国民に押し付けるなど、絵に書いた餅というか、まやかしではないかとすら感じます。

これは何も最近の日本人はモラルが低いといった話ではなく、昔から娘を金のために売り飛ばしたりとか、口減らしのために子供を間引きするとかってのは、珍しい話ではなかったわけですし。

そりゃ今うまく行ってる家庭ならさぞ幸せでしょうし、国に言われるまでもなく助け合い支えあって生きていくでしょう。それは素晴らしいことです。しかし、殺人までいかなくてもうまくいってない家庭は決して少数派ではなく、そういう人たちに制度とかで一家団らんを押し付けても悲劇しか生まないのではないでしょうか。

エラい人が一家団らんを夢見るのは、古き良き時代へのノスタルジーでもなんでもなく、愛にも金銭的にも恵まれた家庭で育った人々が「俺は幸せだったからみんなもそうすりゃいいじゃん」という、あまりに想像力にとぼしい価値観の押し付けなのではないでしょうか。

血族だから、家族だから、愛が無条件に発生するなんてことはないのですよ。

 

via: 殺人の半分が親族間で行われてる国で一家団らんとか夢見すぎ

 

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コメント

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  • コメント (1)
    • キジトラさん
    • 2014年 11月 25日

    家族をブチ壊した最悪の要因は大日本帝国政府だ。
    第2次大戦で日本人300万人を殺戮して開き直ったから、
    人のために子供をつくろうなどと考える人間が減った。

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