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「囚人を輸出」ノルウェーが増えすぎた囚人をオランダへ。人権大国での犯罪者ってどんな扱い?

NNA.EUがノルウェーに関して面白いニュースを報じていました。刑務所の改修のために、一時的に囚人をオランダへ送るというのです。人口当たりの服役者がアメリカの10分の1にも関わらず空き室待ちが1300人もいるとのことですが、その理由の一つは間違いなく「刑務所の環境の良さ」でしょう。日本と比べてかなり大きく設備も清潔と言われています。ノルウェーなど北欧の国といえば人権がかなり強く根付いているイメージですが、犯罪者の人権ってどんなものなのでしょうか。



ノルウェーの刑務所

非常に有名なノルウェーの豪華すぎる刑務所。よくNAVERまとめなんかでも取り上げられています。ちょっと検索してみるだけでこのように見つかります。

 

ノルウェーは世界でもっとも社会福祉や人権が進んでいる国のひとつと言われ、国連の発表する「世界一豊かな国・住みやすい国」でも1位に輝いています。

そのノルウェーには、世界一人道的であるとも甘やかしているとも言われる、「ハルデン刑務所」があります。

とても刑務所とは思えない快適な設備をご覧ください。

1.
08612ab7 「囚人を輸出」ノルウェーが増えすぎた囚人をオランダへ。人権大国での犯罪者ってどんな扱い?
ノルウェー南部にある「ハルデン刑務所」は2010年に完成し、収容人数252名、総工費は20億円ほど。

2.
4f945e09 「囚人を輸出」ノルウェーが増えすぎた囚人をオランダへ。人権大国での犯罪者ってどんな扱い?
こちらが独房…これが!?

圧迫感がないように、窓は大きく鉄格子などもありません。

 

 

via: 犯罪者を世界一甘やかしていると言われる「ハルデン刑務所」の快適な収容ライフ:らばQ

 

このように、ちょっとしたワンルームマンションくらいの感じはあるんじゃないでしょうか。他にも図書館や音楽室、体育館なども用意されているようです。中には刑事施設にいながらにしてアルバムを発表した音楽グループなどもいたようで、ちょっと想像の外にあるようなことも実際に起きているようです。体育館にも大きなコートや、ロッククライミングのエクササイズが出来るような設備も用意されているらしく、日本とはかなり趣が違う様子です。それでは日本だとどんな感じなのか、軽く概観を見てみました。

 

それでは、日本の刑務所は

日本の刑務所の様子を知りたければ法務省のこちらのページが参考になるようです。余暇活動の援助(高校のブラスバンドによる演奏や、アニマルセラピーなんかも聞きますよね)や、教科指導もあるとのこと。クラブ活動については民間の方の援助で行われているようでちょっと上げるだけでも、将棋クラブ、俳句クラブ、書道クラブ、珠算クラブ、ヨガ、短歌、簿記、音楽、絵手紙、書道、座禅、DJ放送、陶芸、英会話、中国語会話カラオケ、器楽演奏など思っていたよりもかなり豊富な印象です。もちろん地方によってかなり偏りはあるのでしょう。また、教科指導については、義務教育を修了していない囚人も多くいるために一定の教育を施しているようです。小学校や中学校レベルのところが基本だというのですから、いかに犯罪者の多くが十分な教育を受けられないままに社会に出てしまう(あるいは社会学的には出ざるを得ない)ということがわかります。また、高校レベル・大学レベルの教育も必要であれば行えることが可能なようです。以下にも関係がありますが、「犯罪者は矯正可能である、再社会化が可能である」という刑法の考え方から由来しているのでしょう。

 

社会が物事を規定する

さて、少し社会学的な内容に話を移しますと、そもそも犯罪者というのは社会においてどのように捉えられているのでしょうか。ある事象を「どのように捉えるのか」によって社会の対応が変わるということはよくあります。例えば昔は「シャーマン」「神懸かり」「狐憑き」などと呼ばれ、畏れられ時の権力によっては重宝されていたものの多くは、今では精神障害の一部であると捉えられるようになり、それによって「病気として治療可能なもの」として認識されるようになりました。起きている事象は同じなのに捉え方が変わることで社会における立ち位置、対応が変わっていくんですね。(ちなみに精神病とされていたものは元々、神的・霊的なもので説明がなされ、後に環境や心理的な影響が大きいとされ、現在では器質性障害=脳の機能障害という分析が進んでいるようですが、果たしてこれも本当に正しいのかはわかりません。あくまで社会的にそう認識され、それによって医学的なアプローチが用いられているということです)

 

刑法観の変遷

さて、刑法の極めて初期の状態を考えてみると、一般に最初に浮かぶのはハンムラビ法典の「同害報復」ですよね。いわゆる「目には目を、歯には歯を」が極めて原始的で単純な刑法理念と言えたと思います。(とはいえ実際には立場や位が違うとその通りではなかったようで、今で言う「法の下の平等」というものは無かったと言われますが)また、イスラムのシャリーアなんかでも窃盗を犯した物は手を切られるなどという刑法規定もあり、実際ブルネイが段階的に導入すると発表しています。

 

ブルネイのボルキア国王は30日、シャリア(イスラム法)に基づく厳しい刑罰を盛り込んだ新しい刑法を5月1日から段階的に施行すると発表した。今後は「姦通罪」に問われた人が死亡するまで石を投げ付ける石打ちや、窃盗罪に対する手の切断といった刑罰も導入する予定だ。

 ボルキア国王は近年、政策の宗教色を強めており、新しい刑法もその延長線上にあるとみられる。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は「幅広い犯罪に死刑を適用するものだ」と懸念。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは「姦通や同性愛は犯罪と見なすべきではない」と批判している。

 1日に施行されるのは3段階のうちの「第1段階」。イスラム教徒の「金曜礼拝への不参加」「ラマダン(断食月)中の断食破り」のほか「夫婦や家族以外の男女が閉鎖された場所で過ごすこと」などに対し、罰金刑や禁錮刑が科される。(共同)

 

via: 姦通で「石打ち」、窃盗は「手の切断」 厳罰イスラム法をブルネイ施行 – MSN産経ニュース

 

いわゆる身体刑ですよね。現在の刑法の考え方とはかけ離れたものですが、いわゆる「罰」としての効果がわかりやすく、また「威嚇効果」も高いので長らく用いられてきたものでした。しかし、1700年代に入り合理主義の発展と共にイタリアやドイツの論者たちが新たに理論を展開するようになります。道徳と刑法を分ける考えなどが出てきます。有名なのはドイツのフォイエルバッハですね。いわゆる「罪刑法定主義」を理屈立てた人です。簡単に言うと、「○○をしたら、○○という罰が与えられる」というのを明文化して、それにより犯罪の予防を図り、かつ国家の恣意的な刑法の運用を抑制するというものです。日本でもこれが適用されており、わかりやすい例だと殺人罪なんかはこういう条文で規定されています。

 

人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

via: 刑法第199条 – Wikibooks

 

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、「したことをやり返す」ものから、「やったことによる社会法益の侵害を、身体刑などとは別の方法で償う」という形に変わっていってます。ここから刑法はどんどん発展していきます。社会責任論や特別予防主義なんかも出てきますが、興味の有る方はこの辺の書籍を読んでみると面白いと思います。

 

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じゃあ、犯罪者はどう規定されるのか

さて、このような刑法の変遷=社会の変化があることで、犯罪者に対する取り扱いが変わっていくことも容易に想像が出来ると思います。当初はまさに「罪人」として扱われていた犯罪者たちも、徐々に身体刑などの過剰で残虐な罰を受けることは減り、現在では「社会復帰可能な存在」として捉えられるようになり、教育などが施されるに至ったというわけです。ここから、過剰で残虐であり、かつ社会復帰を完全に不可能にする身体刑「死刑」というのが主に欧州において廃止の方向に動いているのも頷けるでしょう(少なくとも理屈の上では)。また、社会学的な観点から見ると、「犯罪に向かってしまう構造そのもの」に対する国家の責任を追求するものもあり、複合的に「社会科学、人文科学」分野を見ていくことも重要でしょう。

 

過剰な保障か、はたまた…

さあ、ここで改めて疑問になるのが「でも、ノルウェーそこまでしなくてもいいんじゃないの」という部分でしょう。しかしながら、社会契約的な国家観でノルウェーを捉えると、国民自体の納得度・満足度はずいぶん高い模様。ならば文句を言い様も無いということですよね。人権意識が極めて高い国家であると言えるでしょう。(高福祉国家としての税金の高さも有名ですが)

 

2013年度の世界幸福度レポート(World Happiness Report)が、コロンビア大学地球研究所から発表された。これによると、世界で最も幸福度の高い国はデンマークで、続く2~5位は順にノルウェー、スイス、オランダ、スウェーデンとなっている。

via: ニュース – 文化 – 世界幸福度ランキング2013、国連 – ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト(ナショジオ)

 

国家戦略としての「高福祉国家」

さて、実は国際政治的に見ると、また面白い傾向が見えてきます。実はノルウェーや他の北欧諸国は、特に「人権意識の高い国」というイメージがありますよね? これ、一つのブランディングとして見る考え方もあるんです。国際関係学では「構成主義」という考え方があります。国際関係においては武力や経済の他に「理念」によって動かせる部分があるという考え方です。実際、この「人権」についてはかなり権威のあるノルウェーは、残虐な武器としてクラスター爆弾を禁止しようという「オスロ会議」なんかを開いたり、国力と比して「世界全体の方向性を決める」大きな仕事をいくつも成し遂げています。そんなノルウェーとしてはもちろん犯罪者の人権についても十分な保障をしていかなくてはならないのかもしれません。この「囚人輸出」というのも本当は、刑事施設の改修のための一時的な措置に過ぎないようです。更なる保障に向けての動きなんですね。「犯罪者にも十分な人権保障を行う国、ノルウェー」に対して、日本はどんな国家像を描けるでしょう。「○○な国、日本」 みなさん、どうお考えですか?

 

多過ぎる囚人をオランダに“輸出”――。ノルウェー政府は8日、自国の刑務所に収容しきれない囚人たちを、オランダへ移送する壮大な計画を明らかにした。

ノルウェーの法務・公安省は昨年、専門家から、刑務所施設を維持するために大幅な改修が必要との提言を受けた。工事には33億~44億ノルウェークローネ(5億2,000万ドル~7億ドル)の費用が発生する見込みで、一時的に刑務所を閉鎖する可能性も出ている。同国では人口10万人当たりの服役者の割合が米国の10分の1という低さにもかかわらず、現在1,300人もの犯罪者が空き室待ちの状態。拘留施設も不足している。背景には服役者に対して比較的寛大なノルウェー政府の方針がある。

一方、オランダ政府は過去にも、ベルギーからの囚人を数年間受け入れている。ただ実行に移すとしても、両国は協定を結ぶ必要があるほか、面会の頻度など実質的な面で課題が生じる。ノルウェー政府は最大300施設を借り受けるもようだ。

アンネシュ・アヌンセン法務・公安相は「状況は差し迫っており、短期的な措置を検討しなければならない」と強調している。

 

via: 【ノルウェー】ノルウェー、牢屋不足でオランダに囚人“輸出”[社会]/NNA.EU

 

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コメント

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  • コメント (1)
    • キジトラさん
    • 2014年 9月 17日

    原油輸出世界第6位で人口約500万人、これだけでも日本とは比較出来る対象ではないわけだが、そもそも 犯罪者に対してあそこまで厚遇する必要性を感じない。
    おまけに警察もかなり頼り無さそうというのでは…
    ま、個人的にはそんなに魅力的な国だとは思っていない。

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