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チンパンジーに人権なし。責任能力を持つもの、持たざるものとの違い。知的障がい者は?

面白いニュースがありました。チンパンジーに人間と同じ権利を、という動物愛護団体の請求が棄却されたとのことです。チンパンジーは自らの行為に対する責任能力を有さないというのが理由のようですが、一部の人類にもそれは当てはまることだと思います。一体どのような線引きを行うべきなのでしょうか。



 

[オールバニ(米ニューヨーク州) 4日 ロイター] – チンパンジーに人間と同じ法的権利を与えるよう、動物愛護団体が求めていた裁判で、ニューヨーク州オールバニの控訴裁判所は4日、チンパンジーには法的権利に伴う責任を負う能力がないとして申し立てを退けた。

動物愛護団体「非人間の権利プロジェクト」は、ニューヨーク州北部でおりに入れられ監禁状態にあるチンパンジーのトミーを、保護区に放すよう求めていた。

 

裁判所は「言うまでもなくチンパンジーは人間とは異なり、法律上の義務や社会的責任を負ったり、自らの行動に法的な責任を持つことはできない」との判断を下した。

 

団体の弁護士スティーブン・ワイズ氏は、最高裁判所に上訴する意向を示した。

 

同団体はこのほかにも3匹のチンパンジーについて保護区への解放を求める裁判を起こしている。

 

via: チンパンジーに「人権なし」、米裁判所が愛護団体の申し立て棄却 | 世界のこぼれ話 | Reuters

 

情報整理

まずは簡単に情報を整理しておきましょう。動物愛護団体の目的は「チンパンジーに人間と同じ法的権利を与えること」のようです。その訴えを棄却した裁判所側の理屈は「法的権利に伴う責任を負う能力がない」とのこと。

 

どうやら状況としては、檻に入れられたチンパンジーを「監禁状態にある」と見做した上で、保護区に開放させるための行動の一つのようです。

 

責任能力とは

さて、責任能力というのが判断における重要な要素だったようです。ここで、責任能力とは何かということを知る必要がありそうです法律上の問題としては、よく刑法における責任能力に関する議論がなされることが多いでしょう。

 

刑法上の観点からは、「事物の是非・善悪を弁別し、かつそれに従って行動する能力」がその定義になります。責任能力のない者に対しては、刑法上の刑罰を与える意味が乏しい→よって減刑や別途の対応が求められるわけですね。

 

よく問題視されるのが、精神障がいや知的障がいを持った人の犯行が情状酌量になったり、そもそも有罪として認められないことがニュースになったりしています。心神喪失と心神耗弱の違いについてはwikipediaなど参考ください。(精神鑑定の結果〜とよく報じられていますね)

 

ちなみに刑法においては、14歳未満は責任無能力者という扱いで、少年法の対象となります。刑法では行為の責任を問えないので、違うフィールドで扱うということですね。

 

哲学における「責任能力」

それでは哲学における責任能力とはどんなものでしょうか。有名なものに、カント的立場があります。すなわち、人間の権利を生み出している源泉は「理性ある人間」としての共通点だという考え方です。理性があるからこそ「正しいこと」が認識され、また共有される。それが無いのであれば、権利に値しない。という考え方です。

 

カント的立場をとると、知的障がい者などはまさに「理性ある人間」として認められません。(といってもそれで人権が完全に剥奪されるということはなく、別の義務論や理論枠組みで結果的には権利を保障する形になりますが)

 

また、ほかにも「子どもの権利」をどう規定するか、という考え方もあります。すなわち、子どもには責任能力がないけれども「権利は持っている」と言うための論法ですね。これは準理性的なものを認める考え方や、将来的にその能力が獲得されることを背景に認めるようなものが多いようです。

 

結局のところ、その能力を持たない人間って?

さて、この問題には昔から多くの哲学者が挑んできたと言えるでしょう。知性の問題であるならば、そもそも高度に発達したロボットや人工知能についてはどのような権利が存在しうるのか? という点では現代でも、さらに将来にも確実に継続して存在する問題と言えます。

 

遺伝子レベルの共通性を求めるもの、知性を基準とするもの(最近だとイルカやカラスもこれによって保護の対象になっりしていますね)、痛覚を持つか否か、様々な基準が混在しています。

 

このような複雑な議論に対して、当記事にて答えを出すことは不可能です。しかしながら一つ指摘しておきたい重要なことがあります。それは、「定義は今後変わりうる」ということです。さらにいうと、「今までも変わり続けてきた」とも言えるでしょう。

 

例えば障がいを持って生まれてきた子どもが間引きされたり、教育の機会を与えられなかったり、労働市場における劣位だったり、様々な困難がありました。それに対して、多くの是正がなされてきました。それが正しいかどうか、あるいはやり方が正当であるか否かは別として、意識は常に変わり続けてきたわけですね。

 

その点において、動物の権利もまた「今とはまるで違う意識になりうる」ということだけは確かでしょう。革製品や毛皮の製品、動物実験やフォアグラのための過剰な食事など、最近では多くの問題意識が出てきています。

 

多くの会社が動物実験を止めるようになった一因に市民運動などが挙げられるでしょう。実際の市民の声、意識の変化に合わせて社会もまた変容しうるものだという証左でしょう。

 

まとめ

結論としては、「チンパンジーに法的権利が認められないこと」は決して自明のことかどうかはわからないということです。あるいは、今は自明かもしれないけれども今後ずっとそうであるとは限らない、ということ。

 

いや、チンパンジーなどならまだ想像がつきやすいですが、将来的には大地や大気、鉱物や植物、プランクトンなどにも権利が付与されうるのです。もちろん、それが真に認められるかどうかは法的・哲学的理論を背景に、多くの市民らの認識の変化が不可欠でしょうが。

 

人間の権利というのも、意外ととふんわりとした地盤の上で成り立っている部分があります。これからのロボット技術などの発展が人権概念にどのような影響を与えるのか、今から楽しみです。痛覚を持ち、人間と同構造の器官を持った知的ロボット。私たちは彼らを「壊す」と形容するのでしょうか、はたまた「殺す」と形容するのでしょうか。

 

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コメント

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  • コメント (1)
    • キジトラさん
    • 2014年 12月 09日

    これもっと単純なんじゃないか、と思います。
    私の中では、
    人間と同じ権利を持たせるなら人間と同じ義務を課さないといけない。
    チンパは義務を遂行できない。だから権利を与えることはできない。
    というシンプルなロジックでした。

    >将来的には大地や大気、鉱物や植物、プランクトンなどにも権利が付与されうるのです。

    ところで、この意味はさっぱりわかりませんでした。
    どういう事でしょうか?
    大地や大気になんて権利は発生しません。
    発生する対象はあくまでも管理者です。
    管理人さんは何か壮大な勘違いされているのでしょうか?

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