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インターネットの自殺サイトを経由して、男女が練炭で大量自殺。自ら命を絶つことは人に許された権利なのか?

しばしば新聞を賑わす「インターネットの自殺サイト」またしても集団自殺によって命が失われたようです。年齢層は20代が多く、自殺の原因はまだ報じられていない状態です。果たして、自ら命を絶つということは人権的にはどんな視点が持てるのでしょうか。



埼玉県越生町で、車の中で男女4人がぐったりした状態で見つかり、このうち男性3人の死亡が確認されました。車内には練炭が置かれ、病院に搬送された女性は「自殺サイトで知り合った」と話しているということで、警察は4人が集団で自殺を図ったとみて調べています。

19日午後4時ごろ、埼玉県越生町の展望台の駐車場に止められた車の中で男女4人がぐったりしているのを、通りかかった男性が見つけました。警察によりますと、このうち男性3人はすでに死亡しているのが確認され、女性は意識がもうろうとした状態で病院に運ばれましたが、命に別状はないということです。
死亡した男性の1人は神奈川県厚木市の22歳の男性で、ほかの2人は運転免許証などから埼玉と東京の男性とみて警察が確認を進めています。また、病院に搬送された女性は青森県八戸市の22歳の女性で、「インターネットの自殺サイトで知り合った」と話しているということです。
後部座席の後ろから燃やされた練炭2個が見つかったほか、窓に内側から目張りがしてあったということで、警察は4人が集団で自殺を図ったとみて調べています。

 

via: 車内で男女が集団自殺か 3人死亡 NHKニュース

 

自殺と統計

自殺について考えるために、まずは統計を見ていきましょう。データからどのようなことが導かれるのでしょうか。

 

2012年の自殺者2万7858人=前年比9.1%減-20代、15年前より高水準

※記事などの内容は2013年3月14日掲載時のものです

20130314j 02 w300 インターネットの自殺サイトを経由して、男女が練炭で大量自殺。自ら命を絶つことは人に許された権利なのか? 警察庁は14日、2012年の自殺者数(確定値)が前年比9.1%減の2万7858人だったと発表した。3万人を下回るのは1997年以来、15年ぶり。原因や動機のうち「経済・生活問題」は前年より大幅に減少。一方、97年と比べ、20代を中心とする若い世代の自殺率は高い水準にある。
 分析した内閣府は「着実に対策が進んでいると言えるが、若年層は予断を許さない」としている。
 遺書などで原因や動機を特定できたのは2万615人。原因・動機を1人三つまで計上した延べ2万8396人の中で、最多は「健康問題」の1万3629人。次に「経済・生活」5219人、「家庭問題」4089人、「勤務問題」2472人などと続いた。いずれも前年より減った。
 経済・生活の減少数(1187人)と減少率(18.5%)は最大だった。内訳を見ると、「負債」が381人減り、「事業不振」「失業」「生活苦」は200人以上減少。内閣府は、多重債務の解消対策が進んだほか、失業率や企業倒産件数の改善が続くなど経済環境が好転した影響があるとみている。
 年齢別でも全ての年代で減少した。しかし、人口10万人当たりの自殺者数(自殺率)は、20代が22.5人で、年間2万4391人だった97年より9.2人増加。30代も4.7人増の21.9人、40代は4.0人増の26.1人で、全体(2.5人増の21.8人)の増加幅を上回っている。

 

via: 時事ドットコム:【図解・社会】自殺者数の推移

 

どうやらよくニュースなどで言われる「若年層の自殺率の増加」は数字としてもしっかり現れているようです。よく、若者は病死が少ない分自殺率が必然的に高く出てしまう(死因として上位になってしまう)という意見がありますが、時代の変化と共に数値が高くなっていることは間違いないようです。すなわち、自殺する若者が増えている時代と言えます。また、2003年のデータでは以下のように説明されており、この当時は若者の自殺者が多かったとは思われていない模様。どうやらここ10年程度で大きく状況が変わってきたようです。また、50代くらいの男性の自殺率の高さに危惧する内容も書かれていました。

 

若者に自殺が多い:若者では死因の上位に「自殺」が上がってくる。厚生労働省(2001)の統計では,男性では15~19歳,20~24歳ではともに2位(1位は不慮の事故),25~29歳では1位だ。女性でも15~19歳で2位,20~24歳と25~29歳では1位だ。だが,人数や自殺率を見ると,男女とも上の年代の方が大きい。若者の場合,病気で亡くなる人が少ないので,自殺が死因の上位にきてしまうのだ。逆に中高年や高齢者では自殺死亡者が多くても,ガンや心疾患などの病死がそれを上回り,自殺が死因の上位にこない。

 過去には若者の自殺率が非常に高かった時期がある。1950年代後半から60年代の戦後最初の自殺のピーク時だ(上のグラフを参照)。このときと比較すると現在は男女とも自殺率は1/3程度まで下がっている。1950年代以降で比較すると,欧米では逆に増えている国が多い。例えば,米国は1950年以降,15~24歳の白人男性の自殺は3倍に増えた。若者の自殺が増える要因としては,両親の離婚の増加,薬物乱用の蔓延と低年齢化,価値観の変化などが挙げられている。これらは程度の差こそあれ,日本でも問題になっていることだ。なぜ日本では若者の自殺が減ったのか,専門家も答えを出しあぐねている。

 

中高年の男性に自殺が多い:ここ数年だけを見るなら,まさにその通りだ。50歳代の男性の自殺率は,最も自殺率の高い80歳以上の男性に迫る勢いだ。だが,以前からずっとこうだったわけではない。男性中高年の自殺防止は急務だが,高齢者など他の年代への対策を忘れてはならない。

 

via: データで見る日本の自殺 | 日経サイエンス

 

総じてこの97年、03年、13年のデータを見ると、この10年における「若者の自殺者の増加」、「中年男性層の自殺者は一時高まった(現在の倍)が現在は減少」というのがポイントとして挙げられそうですね。記事の中には景気と連動した自殺率の推移についても記述がありましたが、経済状況を理由にした自殺はやはり多い(第二位の自殺理由)です。

 

世界の自殺

自殺という言葉は「自らを殺す」という意味が表現されていますが、他の言語ではどのような表現がされているのでしょうか。英語だとcommit suicide(自死を行う)あるいはkill own self(自身を殺す)といった表現がよく使われていますし、フランス語ではse suicider(自死を行う)やse tuer(自身を殺す)の他にse donner la mort(自身に死を与える)といった表現があります。日本語にも「自死」という言葉を使おうといった運動もあるようですが、あまり本質ではないような気もします。死は直接的に表現することが憚られることが多く、古語でも様々な表現がされていますし。(かくれるとか)現代でも永眠すると言うこともありますよね。

 

公文書などで自殺を「自死」と言い換える自治体が相次いでいる。「『自殺』には命を粗末にした、という印象があり、残された者が一段と傷つく」との声が一部の遺族から上がっているためだ。ただ、支援団体などからは「イメージを和らげることになり、予防の観点からは良くない」との意見もあり、議論が続いている。

 宮城県は1月、公文書や啓発文書などで、原則として自殺を自死に言い換えることを決めた。同県障害福祉課は「『殺す』という表現に心を痛めている遺族からの訴えに配慮した」と説明する。

 言い換えの先駆けとなったのは島根県。昨年3月、遺族団体からの要望を受け、自殺対策総合計画を「自死対策総合計画」と変更するほか、公文書などで「自殺」を使わず、「自死」と表記することを決めた。鳥取県も昨年7月に同様の変更を決めた。

 遺族ら約1700人でつくる全国自死遺族連絡会(仙台市)は2010年から自治体などに言い換えを呼び掛けてきた。自らも05年に長男を亡くした田中幸子代表(64)は「追い込まれて命を絶つしかなかったケースが多いのに、自殺という呼称は『命を粗末にした』『勝手に死んだ』という誤解を招き、遺族を一段と苦しめる」と訴える。

 一方、全国自死遺族総合支援センター(東京・千代田)は昨年10月、一律の言い換えでなく、状況に応じた使い分けを提案するガイドラインを発表。遺族・遺児に関する表現は自死とする一方、予防対策などでは「自殺防止」といった表現を残すべきだとしている。

 04年に夫を亡くした南部節子事務局長(69)は「『自死』という表現は過酷な現実をオブラートに包んでしまう面があり、死に対するハードルが下がりかねない」と懸念する。

 自殺対策に取り組むNPO法人「ライフリンク」の清水康之代表も使い分けを支持、「こうした議論を通じて、誤解や偏見に苦しむ遺族への理解を深めるきっかけにしたい」と話している。

via: 「自殺」→「自死」言い換え相次ぐ 自治体、遺族感情に配慮  :日本経済新聞

 

こういった動きは障がい者という言葉をどう書くか、といったことと似ていると思います。この辺はどちらかというと受けて側の「認知の歪み」を感じることも多いです。自殺という言葉を使うときに、「命を粗末にした」というイメージを持つのが一般的とは言いがたいような。ある事柄を説明するときの平易な表現に難癖をつけてもあまり意味がないと思うのですが。

 

自殺する権利

それでは、権利の上では自殺というのはどのように取り扱うことが出来るのでしょうか。生存権は日本国憲法にも明記されていますし、世界人権宣言なんかでも採用されている基本的な権利です。人間の最も根幹と言える生きる権利を、自らが侵害するということにはどんな意味があるのでしょうか。

 

第三条
 すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。

via: 世界人権宣言(仮訳文)

 

キリスト教圏なんかだと、元々は「神の創造物」である人間を、自らの手で破壊する行為は罪であるという意識が非常に強いと言われていました。(今ではフランスなんかだと、宗教第二位は無宗教なので変わってきているかもしれませんね。ちなみに第三位はムスリムです)日本では、あまり自殺を罪とする考え方は薄いでしょう。世界でも知っている人が多い「切腹」という文化の影響でしょうか。

 

幸福を追求する権利、自己決定権

人は、自分が望むことをする権利があると言われています(他の人も持っているので、他の人の利益を侵害しない限りにおいて、という条件付きのものですが)。自らが選択した人生を生きることが出来るというものですが、そう考えると「切腹」の説明も出来なくはありません。生きたいように生きる結果が「この世界を離れる」ことだったとき、誰がそれを責めることが出来るのでしょうか。

 

尊厳死と自殺

また、少子高齢化社会の中で尊厳死というキーワードもよく耳にすることが増えたと思います。尊厳死を認めている国はあまり多くは有りませんが、有名なところではオランダやベルギーなどでしょうか。特にベルギーでは患者の同意の上で「臓器輸出」としても利用しているということです。日本では条件に「耐え難い苦痛」や「回復の見込みがない」など厳しい条件の下で安楽死は認めていますが(正確には違法性が阻却される条件)、尊厳死についてはまだ十分な議論がなされているとは言えない状態でしょう。

 

(a)患者が耐え難い肉体的苦痛に苦しんでいること
(b)患者の死期が迫っていること
(c)患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くし、他に代替手段がないこと
(d)生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること」

via: 安楽死・尊厳死:オランダ

 

若者の自殺

さて、自殺というワードに関連するいくつかの項目を見てきましたが、最終的には若者の自殺をどう捉えるかということを考えたいと思います。私は、自殺というものの内の幾分かは、社会による「生存権の侵害」だと思っています。自ら死を選ぶ他無い状況になるのは必ずしも個人の責任にはないように思います。いわゆる「すべり台社会」と言われる日本では、一度レールから外れてしまうと滑り落ちていくしかありません。セーフティーネットが有効でないので、再社会化が難しいんですね。この辺はぜひ湯浅真さんの「反貧困ーすべり台社会からの脱出」に目を通して頂けたらと思います。

 

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まとめ

このように、自殺というものについて考えるときに「生存権」「自己決定権」という大きく2つの権利が関連してくることがわかりました。片方だけの側面から見るとそちらが正しいと思ってしまいますが、あらゆる権利は常に他の権利と競合しています。どちらかを優先するのかは我々国民が政治参加を通して表明していく他はありません。オランダなんかは宅配安楽死チームがあるようですが、それを聞いて違和感を持つ方も多いように思います。

 

またオランダでは去年3月にナーシング・ホームで暮らしていた認知症が進行した高齢の女性に積極的安楽死が行われている他、今年3月からは「起動安楽死チーム」が稼働している。安楽死を希望しても応じてくれる医師が見つからないという患者のために、医師と看護師のチームが車で駆けつけて自宅で安楽死させてくれる。いわば“宅配安楽死”制度だ。これが保健省の認可を受けて、現在6台稼働している。オランダ国内ならどこへでも行くという。運営しているグループは、今後は台数を増やすと同時に、もう生きていたくないという高齢者なら、たとえ健康であっても安楽死を認める法改正を求めて運動していく、と言っている。

via: 安楽死や自殺幇助が合法化された国々で起こっていること / 児玉真美 / ライター | SYNODOS -シノドス-

 

私個人としては、自己決定権を重視する立場です。自己決定権を重視、尊重することはすなわち「患者と家族の関係における力関係」などによって決定が歪められない方法を考えることも含めて、ですが。 どんな社会になっていくのかは、国民一人一人の考え方に委ねられており、どちらが正しいということはないでしょう。選択するその時に、「なんとなく」「感覚的に」答えるのではなく、自分の中での確かな答えを持てるよう、一度命というものを考え直すのもいいのではないでしょうか。

 

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コメント

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  • コメント (5)
    • レス見てぇ
    • 2014年 9月 26日

    ネトウヨって右翼じゃないよね
    在日は帰れと言ったと思ったら死刑は廃止しろとか言うし挙句は東日本大震災の自衛隊を賞賛する意味不明っぷり
    保守はだったら菅の自衛隊派遣を国防を疎かにしたって批評する筈だよね
    ネトウヨって名称だから勘違い君が増えるんじゃね?
    自分たちは右翼だ国を愛してるみたいな大義名分与えちゃってるし
    ただの嫌韓で十分でしょう

    • キジトラさん
    • 2014年 10月 02日

    冷静に考えてみよう
    自分から生まれてきたいと思って生まれてくる人間がいるか? いるわけないだろ?
    俺達は親の発情の副産物として自分の意思とは関係なく生かされているだけ
    生まれてくることに自分の意思決定が無い時点で、自ら命を絶つのは自由

    • 頑張りたい
    • 2015年 4月 09日

    自殺は人間の基本的な権利である
    この世に生まれる事に対する決定権は人間は有してはいないが
    この世を去る決定権は有している
    その権利の行使が自殺である

    • キジトラさん
    • 2015年 4月 11日

    死後の世界が存在するならば、自殺した人間のために改革するべきだな
    昔と今じゃ違う…

    • ウィンウィン
    • 2015年 4月 11日

    死後の世界が存在するならば、自殺した人間のために改革するべきだな
    昔と今じゃ違う…

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