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「死にたい」は「死ぬほど辛い」で、「離婚したい」も「離婚したいほど辛い」ということ:座間市事件を受けて

よく聞く話ですが、死にたいは生きたいの裏返し。本当は生きたいのにそれがうまく出来なくて苦しい。そんな自分の気持ちにちゃんと気づけないと大変なことになるというお話です。



 もし少女たちが「死にたいほど辛い」と言ったら周りはどう反応したでしょう。 「そんなに思いつめない方がいいよ」 「死んじゃだめだよ」 「そんなこと言っちゃだめだ」 「もっとつらい人は世の中にたくさんいるよ」 などというのが一般的な反応ではないかと思います。こんな反応では、彼女らは救われません。聞き手が彼女らの絶望的な苦しさから逃げています。確かに常識的な意味では親身な対応ですが、彼女らの圧倒的な辛さに真剣にかかわってくれているようには感じられません。それに比べて、「死にたい」とシンプルに表現すると、方向性はねじ曲がりますが、もっと一生懸命な対応が得られることが多いのです。  離婚も同じです。 「離婚したいほど苦しい」と言ったら、 「(何不自由なく生活しているのに)何が苦しいことがあるんだ」 「(私には離婚する理由はないから)離婚はしない」 「そんな簡単に離婚という言葉を使うのはおかしい」 「(離婚と言わなくなるためには)どうしたらいいんだ」 「あなたが悪いんでしょ」 というような返事が返ってくることが多いと思います。そして、その言葉にさらに深く傷つくことになります。 via AERA Dot「座間事件「死にたい」の深層心理とは?「離婚したい」と共通点があった〈dot.〉」

i0452 03 01h1 「死にたい」は「死ぬほど辛い」で、「離婚したい」も「離婚したいほど辛い」ということ:座間市事件を受けて

 

自分の感情を適当な言葉にまとめない

座間市の事件で浮き彫りになったのは、この社会の片隅でまさに命がけのSOSを出している人がいかにたくさんいるかということ、そしてそのSOSに食いつく悪い人たちがいるということだと思っています。確かに犯人が異常だったので物凄く取り上げられていますが、やはりネットの世界にはあれだけ弱音をはける場所が存在しているというのは、特に大人にとっては驚きだったのではないでしょうか。

 

昔であればそうはいきません。ノートに書いたり、地面に書いたりするくらいしかなかった。自分の周りの人に相談しない形で自分の苦しい気持ちに向き合う方法はとても限られていたし、ましては人に共有することなどできなかった。

 

今は全く違います。その気持を整理したり、ちゃんと人に伝わるように言い換えたり、あるいは自分の思っていることをちゃんと言語化する必要もなしに気軽に外部に発信することが出来ます。しかもラッキーなことに知り合いじゃない人に向けて。知り合いがいるとなかなか言えない悲しいことも、誰も知り合いじゃないところであればカミングアウトすることが出来ます。

 

でもそのかわり、本来であれば人に共有しないほうが良いであろうほどの負の感情がむき出しになり、むき出しになればなるほどそれはどんどん加速していき、最後には「死にたいとちょっと言ってみた」くらいを遥かに超えて「死にたい」に変わってしまう。本当は心ではそこまで思っていなかったのに、言葉にしている内にどんどん自分の中で確信を持ててしまう。

 

死にたいが集まると怖い

その上、SNSではそういう人達同士が集まることも十分にありえます。みんな最初は10くらいしか死にたいわけじゃなかったのに、相互にマイナスな形で加速しあって、どんどん死にたい気持ちが強くなってしまうというわけです。記事にある離婚したい、という言葉と一緒で、それは聞かされる人にとっても現実味のある響きとして受け止められます。

 

本当は、死にたいんじゃなくて死ぬほど辛いなのに、それはちゃんと言語化されないから誰にも届かない。もはや自分にすら届かない。これは恐ろしいことです。政府が今回の事件を機にとった対策が、適切なコールセンターの紹介などであるのは愚直ですが正しい戦略でしょう。彼ら彼女らの声をきき、ちゃんとその苦しい気持ちを言語化する作業というのが大事なのです。

 

そうすれば、その裏にある生きたい気持ち、幸せに暮らしたい気持ちに来づけるはずですから。





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